劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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screen102 チェ 28歳の革命

 後編のための長~い前説?  公式サイト

 原題は「CHE PART ONE」と、いたってシンプル。
"チェ"・ゲバラ、ある世代には熱狂的信奉者がいて、時代のイコンである人物ですが、
私はゲバラのことをあまりよく知りません。
高校の頃、彼の自伝を読んだことはありますが、
キューバ革命や彼の思想、人物像がもう一つよく分からなかった覚えがあります(^_^;)。

 この映画の事を聞いたとき、幾つか腑に落ちない点がありました。
 なぜ今頃、ソダーバーグが取り上げたのか。
革命家ゲバラを信奉する人はラジカルでアナーキーなイメージがあるので、
ソダーバーグが興味を持つのはちょっと意外な感じがしたのです。
ソダーバーグはゲバラの何処に惹かれ、何を描きたかったのでしょう。
 なぜ、ゲバラ役にスペイン語を話すという以外、
共通点の無さそうなベニチオ・デル・トロを起用したのか。
(ゲバラに容姿が似ているという点では、まだ「モーターサイクル・ダイアリー」の
ガエル・ガルシア・ベルナルのほうがよかったと思います。)
 なにより、ゲバラはどんな人物だったのかにも興味がありました。

 で、実際映画を観てみたんですが、
これが映画を観ても、事前の疑問はほとんど解けません。
 この映画、革命の勝利、戦場での恋などドラマティックな要素には事欠かないのに、
ドラマ的演出はしません。
革命後、国連演説のためニューヨークに滞在したゲバラをカットバックしながら、
キューバ革命時のゲバラの行動を淡々と見せるドキュメンタリーのような映画です。
キューバ革命が全体としてどう進み、どうやって成功したのか、
説明的描写はほとんどありません。
昔読んだゲバラの自伝のようです(笑)。

 でも観賞前の疑問は、プログラムの監督インタビューを読んであっさり解けました。
しかも、知ってしまうとなぁんだって事ばかり。
 ゲバラの企画を持ち込んだのは、デル・トロだったこと。
(全然似ていないのにゲバラ役にしたわけです(笑))。
ソダーバーグ自身はそれまでほとんどゲバラを知らなかったこと。
ソダーバーグが惹かれたのはゲバラの人間性、特にボリビアでの活動で、
それを描く補足として、キューバ革命でのゲバラを追加したこと。
映画のエピソードは全て事実に基づき、可能な限り忠実に再現しようとしたこと。

 どうもソダーバーグはゲバラのキューバでの成功よりも、ボリビアでの失敗に、
革命家としての思想や信念よりも、成功を投げ打っても次の革命へ乗り出した
ゲバラの人間性に興味があったようです。
 結局、この映画の本質は後編にこそあるわけで、
パート・ツーを観てみなければこの映画の評価はできません。
後編に期待しましょう。
      (☆☆)
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by am-bivalence | 2009-01-23 21:22 | 伝記 | Comments(0)