劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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screen106 チェンジリング

 予想を上回る展開と、静かに胸を打つエンディングの佳作 公式サイト

 先日、村上春樹氏がエルサレム賞授賞式で行ったスピーチが話題になりました。
壁と卵の比喩、壁(システム)にぶつかって壊れる卵があれば
卵の立場に立ちたいという比喩を使ったスピーチです。
 この映画も言ってみれば、壁にぶつかってしまった卵の話です。

 「パーフェクト・ワールド」、「ミスティック・リバー」、
「ミリオンダラー・ベイビー」、硫黄島2部作と、これまでイーストウッド作品は
重くて、ある意味救いがなく、観るのにそれなりの"覚悟"がいるものばかりでした。
でも今回の「チェンジリング」はちょっと違いました。
最後に希望があるのです。それを信じる者に生きる力を与える希望が。
たとえそれが幻のような不確かで儚いものだとしても。

 プロットがよくできていて、本当にこれが実話?と思ってしまうほどです。
途中ホラーチックな演出もありますが、全編を通じて行方不明の息子がどうなったのか
を追うサスペンスになっています。
こんな結末なんだろうという予想を超えて展開し続いていく話は
144分の長さを感じさせませんでした。

 changelingとは"入れ替わり"とかいった意味かと思っていたら、
神隠しにあった子供とすり替わって現れる子供のことだそうで、
一般的な辞書にも載っています。
まさにこの事件そのもので、よくこんな単語があったなあ、と感心します。

 行方不明になった息子を取り戻したい一心で行動する母親というと、
ハリウッド映画なら「フライトプラン」のジョディー・フォスターのような
逞しいアメリカ女性が出てくるのだろうと思っていましたが、
「チェンジリング」の母親は警察の詭弁や嘘にも反論できないおとなしい女性です。
それが後半に変わっていくのも見所。
 本作のアンジェリーナ・ジョリーはこれまでの地でやっていたような
自信たっぷりの女性とは全く違って、気弱な感じの母親を好演しています。
この役でジョリーは今年のアカデミー主演女優賞にノミネートされていました。
                                (☆☆☆
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by am-bivalence | 2009-03-13 23:23 | サスペンス・スリラー | Comments(0)