劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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screen108 フィッシュストーリー

 ただのホラ話と侮れないテーマを含む?  公式サイト

 fish storyとは、ホラ話のことだそうです。
ではこの映画のどこがホラ話かというと、
全く売れなかったパンクバンドの曲が37年後、地球を救っちゃうってこと。
音楽でどうやって地球を救うんだ?って思いながら観ていましたが、
確かにパンクの曲が世界を救っていました(笑)。

 「フィッシュストーリー」は「アヒルと鴨のコインロッカー」の組み合わせ、
原作・伊坂幸太郎、監督・中村義洋の第二弾。
「アヒルと鴨…」や「チーム・バチスタ…」と同様、
中村監督らしいコメディタッチの映画ですが、
「アヒルと鴨…」のような感動はあまり期待しないほうがいいです。
この映画はホラ話を成立させるため、説明に物語の大半を費やしているからです。
だから全体的にはアイディア勝負の単館系小作品といった印象になっています。
 でも、それはそれで楽しいですし、時代をまたがって語られる複数のエピソードが
最後にパンクバンドの演奏をバックにぴたり繋がっていく構成は
それなりにカタルシスがありました。

 この映画は言ってみれば、使い古された"ことわざ"一言で表せてしまいます。
それを言ってしまうと、なあんだと思われてしまうかもしれませんが、
単にそれだけではない深いものを含んでいるような気がします。
その辺りは、"以下ネタバレ"の後で。。。
                           (☆☆☆)



 <以下、ネタバレ>

 この映画は言ってみれば「風が吹けば桶屋が儲かる」お話です。
そう思って観ると、この映画の仕掛けや構成がよく解って、
複数のエピソードを単純に時系列に並べなかった意図も透けて見えてきます。
 ただこれらの因果関係を"風が吹けば式"と一言に片付けてしまうには惜しい、
深いテーマがあるような気がします。

 この映画は、ある人の何気ない行動が思ってもいないところに作用し、
他の人の行動に影響を及ぼしています。
それがまた他の人の行動や自分自身に影響を与え、変化させていく。。。
世の中、案外そうやって動いている部分が多いんじゃないでしょうか。
 確か、仏教ではそれを、広い意味で"因果応報"と呼んでいなかったでしょうか。

 そして、もしどんな行動でも何かしら周囲に波紋を投げかけているとしたら、
それがそのことで何かしら意味を持つとしたら、
何をしているにしても、生きている意味はあるっていうことじゃないでしょうか。

 「フィッシュストーリー」ではこれらの連鎖がポジティブな方向へ向かっていくのですが、
決して世の中それだけではなく、ネガティブな連鎖もあるはずです。
 自分自身の行動も周りにポジティブな波紋を生んでいるか、
省みたりもした映画でした。
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by am-bivalence | 2009-04-02 23:50 | コメディ | Comments(0)