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劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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SCREEN111 ローマの休日

オードリー・ヘップバーンの魅力全開! 宮崎アニメの原型がここにも 参照サイト

 「午前10時の映画祭 何度見てもすごい50本」という面白い企画がスタートしました。
往年の名作・秀作50本を週代わりで朝10時の回に見せようというもの。
しかも値段は一般1000円とリーズナブル。全国25館で実施中。
これまでテレビ画面でしか見たことがなかった名作を大スクリーンで観るチャンス!です。
ただ、午前10時じゃなくて午後8時辺りなら平日でも観に行けるのに。。。
 ともあれ、まず行ってみたのが「ローマの休日」。
映画好きなら誰でも知っている名作なので、ネタバレ気にせず書きます。
観たことのない人はご注意下さい。


 「ローマの休日」、全編ちゃんと観るのは実は久しぶりです。
学生の頃以来。テレビで何度も放映されて断片的には観ていましたが、
意外にじっくり観る機会がありませんでした。
 今回改めて観ると、細かいディテールをすっかり忘れてました。

 この映画の魅力は何と言ってもこの映画が初主演となったオードリー・ヘップバーン。
有名な真実の口のシーン、グレゴリー・ペックが手のひらを隠してみせるのはアドリブで、
オードリーは本当に驚いているそうですが、実にチャーミング(笑)。

 でもこの映画、観ているうちにだんだん妙な感覚になってきました。
まるで宮崎駿アニメを実写で見ているような気がしてきたからです。

 そもそもヘップバーン演じるアン王女のキャラクターは
宮崎監督が好んで描くヒロインそのもの。
都会的で気品があり、純粋で可憐。
その一方で大胆なところがあり、芯の強さも持っています。
 船上のダンスパーティで悪役の秘密警察と乱闘になると、
王女はギターを武器に加勢する反面、
川に落ちた秘密警察の男には救命浮き輪を投げてあげる可愛らしさも見せます。
 オードリーの容姿、ブラウスにロング丈のスカート、細い腰は、
「ルパン三世 カリオストロの城」のクラリスそっくり。
 秘密警察の服装も黒服に黒帽子というのが、
「カリオストロの城」や「紅の豚」で出てきた秘密警察のイメージでした。
(もっともこの原型は「王と鳥」にあるんでしょうけど。)

 また、ローマ市街ではアン王女がちょっと好奇心を出したことから、
べスパで暴走する騒ぎを起こしますが、
このあたりは「魔女の宅急便」で初めて都会に来たキキを連想させます。
 街中の人を巻き込んで警察沙汰になってしまった騒動も、
結婚式へ急ぐ途中だったと言い訳すると、
怒っていた街の人たちは笑顔になり祝福してくれます。
この騒動の決着の付け方も、イタリア的というより宮崎的に感じてしまいます。
 この全体に漂うユーモラスで楽天的な雰囲気が実に宮崎アニメのようです。

 ストーリーの骨子となる、くたびれた中年男と清純な乙女の淡くて叶わない恋というのもまた、
古くは旧ルパン三世シリーズから「カリオストロの城」「紅の豚」等で見られる
宮崎監督好みのモチーフ。

 という訳で、こんなところにも原型があったのだと、
かなり宮崎アニメをオーバーラップさせながら観ていた「ローマの休日」なのでした。
                                        (☆☆☆☆☆)
by am-bivalence | 2010-03-09 20:58 | ラブストーリー | Comments(0)