劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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SCREEN133 スターウォーズ フォースの覚醒

 スターウォーズファンが自分で観たいスターウォーズを作ったら
こんな映画になっちゃいました?
 公式サイト

 予告編を観たときから、ちょっといやな予感がしたんですよね。
帝国が崩壊してから30年経っているはずなのに帝国軍と反乱軍がまだ戦っていて、
出てくる戦闘機もほとんど変化してないXウィングとTIEファイター。
30年間何やってたんでしょ。
 実際、公開後の反響でしばしば聞くのが
“面白かったけど、「新たなる希望」を観ているみたい”
 私も観てそんな感じを持ちました。
なぜ「フォースの覚醒」はそんな既視感を感じてしまうんでしょう?

 そもそもジョージ・ルーカスがスターウォーズでやったことは娯楽映画の復権でした。
「新たなる希望」が作られた70年代、ハリウッドはアメリカン・ニューシネマのムーブメントがあって、社会性を伴ったシリアスな現実を見せるのが一つの主流でした。
そこに娯楽としての映画を改めて造り大ヒットしたのがスターウォーズでした。
 ルーカスはTVで観ていたフラッシュ・ゴードンを映画化したかったのですが叶わず、
オリジナル作品であるスターウォーズを産み出します。
SFである自由さを活かし、ルーカスはそこに過去の様々な連続活劇、娯楽映画のエッセンスを注ぎ込みました。
Xウィングの空中戦はもちろん戦争映画、
ライトセーバーはチャンバラ時代劇、
ルークやハン・ソロが酒場で絡まれるのは西部劇、
ルークがレイアを抱えてロープで谷を越えるのはターザン映画、
セールバージでの処刑は海賊映画、
様々な惑星を渡り歩くのは世界を叉にかける007のオマージュ、
etc.etc...

 では、「フォースの覚醒」はどうでしょうか。
他の娯楽映画を連想させるようなシーンはほとんどありません。
観ていると、どこかスターウォーズシリーズで観たようなシーンが多いんです。
(ひとつ他作品のオマージュと思われるのが冒頭のレイ登場シーン。
ここは「風の谷のナウシカ」の冒頭でナウシカが腐海を探索するシーンを思わせました。
「ナウシカ」は宮崎駿が「ゲド戦記」をアニメ化したかったのに叶わず、
オリジナル作品として誕生したのがスターウォーズと似てます。)

 これまでのスターウォーズが娯楽映画の集大成にしようとしていたのに対し、
「フォースの覚醒」はこれまでのスターウォーズシリーズばかり参照して
表面的にスターウォーズらしさを作っている様に見えるんです。
まるでスターウォーズの大ファンが過去作品を継ぎはぎし、
自分の観たいスターウォーズを作ってしまったかのようです。
 製作スタッフほとんどがファンであるのを表明しているので、
そうなってしまっても仕方ないのかもしれませんけど(笑)。

 なぜこれまでのスターウォーズを継ぎはぎしたような映画になったか、
その訳はやはりルーカスからディズニーへ制作が移ったことにあるようです。
「フォースの覚醒」はオープニングのタイトルロゴに、
本来ならディズニーのシンデレラ城が現れるはずが、ルーカス・フィルムのものが流れます。
つまり、ディズニーはスターウォーズをディズニー・ブランドとは距離を置かせ、
いわばスターウォーズ・ブランドとして独立させているのです。
下手にディズニーを意識させると観客が離れてしまうのを自覚しているのでしょう。
 その配慮が作品にも及んだのではないでしょうか。
制作体制が違ってもスターウォーズの世界は変わらないとアピールするために、
メカなども大幅なリニューアルはせず、プロット、シチュエーションも似たような感じにして
わざと既視感を持たせ、スターウォーズらしく見せたように思えます。

 ともあれ、主役が女性だったり、脱走兵が主要キャラの一人だったりして、
新機軸も見られますし、次作の伏線だろう幾つもの謎なども提示されています。
次回はJJ・エイブラムズらしい意表を突く展開を期待しましょう。(☆☆☆)
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by am-bivalence | 2016-01-17 00:39 | SF | Comments(0)