劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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screen10 墨攻

 過度に期待しなければ楽しめる  公式ホームページ

 墨家のことを私は映画が公開されるまで知りませんでした。
原作の漫画は知っていましたが、まだ読んでいません。

 墨家の思想って、原始キリスト教に似ています。
質素を宗とする共同体、敵をも愛する隣人愛、非攻。
一つ決定的に違ったのは、墨者は皆、戦闘のプロだったことだそうです。
墨家の思想の全ては、戦争を無くしたいという想いから出ているようです。
端緒がピュアである分 先鋭化し、一般には受け入れ難くなってしまったのでしょうか。
 しかし、博愛、専守防衛の思想は非常に現代的で、
戦国時代に発達しただけに、示唆に富んでいます。
こういった映画が中国、香港、日本、韓国合作で造られるのは
意義深いと思います。

 その映画の出来は、知略を尽くして城を守るプロットは面白いのですが、
娯楽映画の定石として恋愛ドラマを入れるのは
ちょっと無理があったのではないでしょうか。
戦術を駆使してきたのに、最後の決着がこれ?とも思ってしまいます。

 守るだけでも、流血の悲劇は避けられず、
守り切ったとしても、暴政が行われればやはり悲劇が続くことは、
墨家思想の限界を示しているのでしょうか。
                       (☆☆)


参照映画:「キングダム・オブ・ヘブン」 リドリー・スコット監督 2005年
   歴史物の籠城戦ならばこれ。十字軍時代のイスラエルで、
  キリスト教とイスラム教の共存する国を守ろうとした若者の物語です。
  これも宗教を超えて平和な世界を造ることがテーマとなっています。
  オーランド・ブルームがシリアスな役を好演してます。
  投石器を使った攻城戦は迫力あり、私は劇場で見なかったのを後悔しました。

参照文献:「墨攻」 酒見賢一 新潮文庫
   映画の原典となったコミックはこれが原典。映画とは革離のキャラクターが大きく異なり、
  防衛のためなら手段を選ばない策士といった印象になっています。
  三国志や史記が好きならこちらが面白いです。
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by am-bivalence | 2007-02-13 23:45 | 時代劇 | Comments(0)