劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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screen43 王と鳥/春のめざめ

 二本立てだったので、2つ並べて感想を書きます。

王と鳥 ~宮崎アニメの原型いっぱいの古典 公式サイト

 物語は天高くそびえる城が舞台。
城主である横暴な王様が唯一愛するのが、絵の中の羊飼いの娘。
しかし娘は、隣の絵の煙突掃除の青年と絵から抜け出し、
逃げてしまいます。
 それを追うのが同じく肖像画から抜け出した王様。
羊飼いの娘と煙突掃除の青年は
追っ手を逃れて城の下へ下へと進んでいき。。。

 この映画、いろいろな暗喩が読み取れるそうですが、
それよりも宮崎アニメの元ネタが随所に発見できて、驚かされます。

 お城のてっぺんにある王様の部屋は、
「ルパン三世 カリオストロの城」でクラリスの幽閉された塔そっくりですし、
城のそこら中に落とし穴があるのも、カリオストロ城そのものです。
羊飼いの娘がクライマックスに着せられるウェディング・ドレスは
クラリスの着たウェディング・ドレスに良く似ています。

 城全体の姿は「天空の城ラピュタ」のラピュタを思い起こさせ、
娘と青年を追う秘密警察の服装は「天空の城ラピュタ」で
シータとパズーを追う警察?にそっくりです。

 また娘と青年が城の中を逃走する場面は、
城内放送がスピーカーで流れたりして、
「未来少年コナン」でコナンとラナが
インダストリアを逃亡するイメージと重なります。
地下に住民が抑圧されているのも、インダストリアと同じです。
 さらにクライマックスには「風の谷のナウシカ」の
巨神兵のようなロボットが大暴れするのです。

 ただ、宮崎アニメの原典を知りたいマニアには興味深いでしょうが、
いかんせん、原型となった「やぶにらみの暴君」公開が
1955年といいますから、かなりの年代物です。
映画としては「古典」で、時代を感じてしまうのは仕方ないところでしょう。
                            (☆☆)


春のめざめ ~色彩・画力が圧巻、動く印象派絵画 公式サイト

 最初この映画の予告編を観た時、てっきり絵か実写をコンピューター処理して
油絵調に見せているんじゃないかと思っていました。
 でも実際は、ガラス板上に油絵を描いていき、
動かすところだけ絵具を拭っては描き直すという、
本当に油絵でアニメーションを作る、気の遠くなるような手法を使っているそうです。
 これはすごいです。
油絵画家としての技術と、アニメーターとしての技術、
両方の高度な技を必要とする手法で、実際にそれをやってみせているのですから。
色彩の美しさも素晴らしく、まさに動く印象派絵画です。
ドラマなど、どうでもいいくらい、画面に釘付けになっていました。

 物語は、16歳の少年が年上の女性と
手伝いの少女、二人の女性に同時に引かれるというもので、
アニメとはいえ、性のめざめも扱った大人のストーリーになっています。
 最後は「ことの終わり」を連想させる結末で、
肉欲だけでなく愛の持つ高潔な面もさらりと語っているのが、
独特の情感を残していました。

30分という中篇ですが、幻想的な雰囲気も併せ持つ絵の美しさは、
久々にDVDを買って何度も見直したくなったアニメーションでした。
                         (☆☆☆☆)
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Commented by mellowww at 2007-11-17 11:00
「春のめざめ」はそんな手法で撮影されてたんですか。。。
すごい。。。

全く映画観れてないですが、amさんのブログで自分が映画観た気になってます。
amさんが「何度も見直したくなる」って珍しくないですか!
ゼッタイ観よう。

「王と鳥」はなんか内容聞いたことあります。なんでかな。
Commented by am-bivalence at 2007-11-17 13:47
 「春のめざめ」はアニメーションとしてその造り方がすごくて、
1コマ1コマ止めて観たくなった作品でした。
こんな映画はなかなか無いですね。
 て言うか、じっくり観直したくてDVD買っちゃいました(笑)。

 メイキングを見ると、ガラス板の上に
いとも簡単そうに油絵を描いていく場面があって、
プロの画家はすごい、と思ってしまいました。
 ただ、物語的には主人公が完全に二股かけているので、
女性には反感買うだろうなあ、とも思いましたけど(^^;。

 レンタルもされてますし、30分ほどなので簡単に観れます。
一度観てみて下さい。

 「王と鳥」は古い作品なので、以前どこかでやってたのかも知れません。こちらはマニア向けって気がします。
by am-bivalence | 2007-11-06 01:14 | アニメ | Comments(2)