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劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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screen47 ブレード・ランナー ファイナル・カット

 限りある命の意義を問う、ハードボイルドSFの名品 公式サイト

 1982年に公開された「ブレードランナー」、リドリー・スコットの手で
再編集、デジタル処理された”最終バージョン”が
DVD発売前にニューヨーク、ロサンゼルス、日本限定で
劇場上映されているので観てきました。

 「ブレードランナー」は5バージョンあるそうですが、ファイナル・カット版はどう違うのか、
詳しくはeiga.comの特集記事で御覧戴くとして、
簡単に言ってしまうとディレクターズ・カット版の
修正、デジタル・リマスター版といったところでしょうか。
 目立った変更は、ゾーラの潜伏しているダンスホールで
ダンサーのカットが追加されている点、
ゾーラが撃たれてガラスのショーウインドウに突っ込むシーンが
撮り直されている(!?)点だそうで、
ディレクターズ・カット版と全体の印象はほとんど同じです。
 ただ、やはり劇場の大スクリーンで観るのはいいもので、
特に手直しされただろう音響効果が、劇場で体感すると迫力が全く違います。
ファンでしたら、劇場で観ることをお薦めします。
 
 「ブレードランナー」は「スターウォーズ」以降多数作られたSF映画の一本で、
公開当時は「スターウォーズ」のハン・ソロ役でブレイクした
ハリソン・フォード主演ということが話題になりました。
ただ、単純な娯楽作でなく難解な結末や、
未来都市のダークで閉塞的雰囲気もあいまって、
一般受けせず、興行的にはうまく行かなかったと思います。
 そんな「ブレードランナー」がこんなに長く名作として生き続けているのは
ちょっと意外というか、奇跡のようにも思えます。

 今回観直してみて、前半の未来都市のビジュアルのみならず、
クライマックスの生命について考えさせる哲学的な面も古びておらず、
同じ感慨を起こさせるのに驚きました。
 レプリカントの短命さは比喩であって、
限りある命をもって生きているのはあらゆる生命に共通、
人間もまた同じです。
死が迫ることで生への執着を実感し、限りある命を精一杯生きることに気付く。。。
レイチェルと逃避しようとしているラストのデッカードはそんな風に思えるのです。

 それにしても、こうして何度も手直しを受け、
注目される「ブレードランナー」は幸福な作品です。
                      (☆☆☆☆)
Commented by mellowww at 2007-12-04 21:06
なぜだろ。なぜかSFは苦手です。
Commented by am-bivalence at 2007-12-05 22:20
SFはお嫌いでしたか。
私は「宇宙戦艦ヤマト」を観て育った世代なので、
「スターウォーズ」や「2001年宇宙の旅」といったSF映画は大好きです。
最近はそういったSF映画がめっきり少なくなって寂しい限りです。

 何かお薦めできるSF映画はないかと考えたんですが、
女性向きのSF映画って。。。ないですね(笑)。
 そうか、それがSF映画衰退の原因か。
by am-bivalence | 2007-11-25 02:16 | SF | Comments(2)