劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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screen53 テラビシアにかける橋

 空想が生きていく力になる少年少女の絆を描いた秀作 公式サイト

 誰でも子供のころ、秘密基地を作って遊んだ覚えがあるのではないでしょうか。
男の子ならウルトラマンごっことか、仮面ライダーごっことかで遊んだことも。
(例えが かなり古いですが。。。)
 でも、"ごっこ遊び"で自分がスーパーヒーローやお姫様になれるのも
たいていは小学校低学年ぐらいまで。
大きくなると気恥ずかしくなって、そんな遊びはしなくなるものです。
 それが "分別がつく" ということなのでしょうが、
それは逆に、"想像の自由さを失っている" とは言えないでしょうか。
 この映画はそんな自由を失くさなかった少年少女の物語です。

 予告編を観ると、この映画は子供達が自分の空想世界に入り込む、
「ナルニア国物語」や、「パンズ・ラビリンス」のようなファンタジー映画かと思ってしまいますが、
実際は全く違います。
 ファンタジーのようなシーンもありますが、
それはあくまで彼らの主観を視覚化したもの。
 この映画は、想像力豊かな少年と少女の交流と絆を描いた秀作でした。

 主人公のジェスは4人の姉妹がいる、大家族の一人息子です。
女ばかりの中で、居心地の悪さを感じ、
得意な絵を書くことで気を紛らわせています。
 大家族のジェスの家庭は経済的にも苦しく、
現実に煩わされている父親はジェスに厳しく当たりがちです。

 そんな鬱屈とした日常を送っていたジェスが、
引越してきた空想好きで活発な少女レスリーと出会い、
次第に生き生きとしてくるのです。
 エキセントリックな二人は、周囲から変わり者扱いされますし、
学校にはいじめっ子もいます。

 ままならない現実の憂さを晴らすように、
彼らは自分達の想像の国テラビシアを造って遊びますが、
それはうまくいっていない現実からの逃避ではありません。
想像の中で、いじめっ子を模した敵と対峙したりすることで、
現実に適応していく訓練の場となっているのです。

 そんな甲斐もあって、現実は少しづつ良くなる兆しが見えるのですが、
突然、二人につらい事件が起こります。
受け入れがたい事実にジェスが現実否定したりする描写には無理がなく、
あざといお涙頂戴ドラマとは違うのが素晴らしいと思います。
これは、原作のモデルとなった原作者の息子本人が
脚本に関わっている効果でしょうか。
周囲の暖かい支えも、意外な人が意外な面を見せていて、
人物描写も細やかでした。

 ラストでタイトルの意味が判るのも、良くできていて、
親子で十分楽しんで感動できる映画ですが、
興行的にはもう一つのように見えるのが残念です。
「アース」のように思い切って吹替え版を主に
公開したほうが良かったのではないでしょか。
                 (☆☆☆☆)
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Commented by mellowww at 2008-02-20 22:26
この映画ってなぜこんなに話題にならないのでしょう。
わたしも不思議に思ってます。
時間があれば、この映画も観たいと思ってました。
※実際に観た方が「結構良かった」と言ってましたし。

しかし、「パンズ・ラビリンス」はブッチギリですね。。。
最近のファンタジーとしては(笑)
Commented by am-bivalence at 2008-02-21 22:35
地味な存在の映画ですが、観た人は皆いい印象を持っているみたいですね。
 私もその一人です(^^)。映画の後、原作も読んでしまいました。
映画は原作にほぼ忠実なんですが、
映画オリジナルなところもあって、そこが映画のいいシーンだったりしてます。脚本の良さが出ているんでしょう。
 泣けるいい映画ですので、機会があったら是非観てみて下さい。

 「パンズ・ラビリンス」はサイトによっては
いまだにランキング上位にいますね。
それだけロードショーが長いってこと?
by am-bivalence | 2008-02-14 22:04 | 人間ドラマ | Comments(2)