劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

screen71 おいしいコーヒーの真実

 フェアトレードの必要性を見せてくれるドキュメンタリー 公式サイト

 1杯330円のコーヒーのうち、コーヒー農家の取り分は3~9円。。。
これを聞くと驚くでしょうか。
公式サイトのトップにはそんな図が出てきます。
映画パンフレット添付の注意書きによると、
これはイギリスの公式サイトからの転載で、
日本の場合はちょっと違い、
東京では、コーヒー一杯の平均価格は419円、
うち、コーヒー農家の取り分は1.7円(0.4%)と、更に少なくなっています。
コーヒー輸出入業者部分が8.7%、残りが喫茶店の分です。
 ただ、これは1998~99年の調査で、2002~2003年のコーヒー危機では
コーヒー価格の0.1%=0.42円程度と、もっと低下したそうです。

 コーヒーの材料原価率が10%程度なのは、
飲食業ならばそんなものかな、と思います。
コーヒー農家の売り上げは、為替レート差があるので、
円で考える感覚とは違うと思いますが、
映画の中で採算が取れずにコーヒー栽培を止める農家が増えているのを見ると、
やはり安すぎるのでしょう。
 (映画でコーヒー栽培の代わりにチャットという
麻薬栽培をする農家が増えているとありましたが、
チャットを麻薬とするのは、やや違和感があるようです。
 エチオピアでは覚醒作用のある一般的嗜好品のようなものらしく、
何時間か噛んで、ほんのり効果が表れる程度で、依存性はないようです。
南米のコカの葉や、噛みタバコのようなものでしょうか。)

 映画の原題は"BLACK GOLD"。これ、もともと石油の比喩らしいんですが。。。
映画はエチオピアのコーヒー農協のブローカーが
コーヒーをもっと高く買ってもらおうとする活動を中心に、
エチオピアのコーヒー栽培の実情を追っています。
 映画でエチオピアの窮状は解るのですが、
アンフェアな貿易システムでコーヒー栽培者が搾取される構造は
もうひとつよく見えてきません。
結局、生産者とは全く関連ないニューヨークやロンドンの先物市場で、
投機的動きで価格が決定してしまうところに根があるようです。

 この映画の示す問題が行き着くところは、フェアトレードです。
途上国からの搾取的交易を是正し、共存共栄を目指す、
フェアトレードというムーブメントはヨーロッパで始まったそうです。
その歴史は意外と古いんですが、私が知ったのは5~6年前でした。
フェアトレードの理念は解るのですが、
ではどうやって価格を決めるのか、
保護貿易に繋がっていかないかと疑問に思ってました。
 しかし映画で、コーヒー生産者の苦しい生活や、
飢餓と隣り合わせで食料支援で暮らしているエチオピアの実態を知ると、
フェアトレードの必要性を痛感します。

 フェアトレード活動が行われているのはコーヒーだけではありません。
チョコレートのカカオ、綿など、いろいろあります。
そういったことを知らしめ、考えさせてくれるのには意義のある映画でした。
                              (☆☆☆)
[PR]
by am-bivalence | 2008-06-22 21:54 | ドキュメンタリー | Comments(0)