劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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screen75 クライマーズ・ハイ

 仕事をするとはどういうことかを見せてくれる力作  公式サイト

 突然、目の前に大きな仕事が現れたら、人はどうなるか。
犠牲者数で史上最悪の航空機事故となった、
日航ジャンボ機墜落事故を追う地方新聞社の人間模様を描いた本作は、
普段、身を粉にして働いているビジネス・パーソンには
身につまされる映画ではないでしょうか。
 なにしろ、墜落事故報道の全権を任された主人公が遭遇する軋轢は
組織で働く者にとってリアルすぎるのです。

 販売局と編集局に象徴される組織間の対立、
過去の栄光で今の地位を維持している上司、
同期や上司から受ける妬み、上層部の派閥争いといった、人間関係、
上層部の都合で部下の功労をつぶされ、報いてやれない口惜しさ、
一人で重大な決定をしなければならない孤独、
おまけにありがちですが家庭内までギクシャクして、
親子関係もうまくいっていません。
キレイ事の「課長○耕作」とは違い、とても泥臭いです。
そして、それら一つ一つを"リアル”と感じてしまう自分の、
サラリーマンの業(笑)。
まあ、これほど露骨な職場はそうないと思いますけれど。

 ネガティブな面ばかりではありません。
スクープを追う仕事仲間との連帯感、
いい仕事には無言の賞賛をしてくれます。
対立していた上司と飲んで腹を割って話すことで
いつの間にか関係が改善していたり。。
そして、誰もが自分の仕事に対して責任感や自信と誇りを持っている。
ダーティな仕事のように描かれている販売局長までもが、です。
熱いです。
 これを観て目頭が熱くならないオヤジはいないでしょう(笑)

 また、「クライマーズ・ハイ」は
インテリやくざな新聞業界の実態も見せてくれます。
独裁的で秘書にセクハラしている社長、
新聞を売っているのは自分達で、
記事の内容など、どうでもよいと思っている販売局長など。。。
文化的なイメージのある新聞社のダークな面が興味深いです。

 クライマーズ・ハイとは、岩登りに集中するあまり、
異様な高揚状態になることで、
この時は恐怖を忘れ、自身の危険な状況も気にならなくなるそうです。
 原作を読んでいなかったので、
最初は、記者が墜落現場を探して、
がむしゃらに山中を彷徨する話なのかと思っていました。
 しかし、この物語の主人公悠木は日航事件全権ディスクなので、
彼自身は一度も現場に行かず、編集室で取材班にを指示し紙面を作っていくのみです。
そして部下がスクープネタを掴んだとき、
悠木は密かに部下に裏を取らせ、スクープを打とうと画策するのですが。。。
ここがなかなかスリリングで、
スクープの裏を取るとはこうするのかと、感心させられました。
 映画パンフにはクライマーズ・ハイについて、こんなセリフが載っています。
  「解けた時が怖いんです。
  溜め込んだ恐怖心が一気に噴出して、一歩も動けなくなる。」
このセリフと映画クライマックスで、タイトルの意味を納得できた気がします。
                        (☆☆☆)
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Commented by yukon-yuko at 2008-08-04 11:33
あ!復活したんですね~。(^^)

これTV版で、見ました。
映画とTV,どちらが良かったですか?
Commented by am-bivalence at 2008-08-04 21:35
ときどき復活することにしました(^^)。

TV版観てないんですよ~。再放送していたらTV版も観てみたいですね。
 原作は読んでみたんですけど、映画オリジナルでアレンジしてある所が何箇所かあって、息子がニュージーランドに住んでいたりします。
 よほどニュージーランドロケがしたかったんでしょうか(笑)。
by am-bivalence | 2008-08-03 20:13 | 人間ドラマ | Comments(2)