劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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screen94 言えない秘密

 これは作品の欠陥なのか、伏せられた「秘密」なのか 公式サイト

 ネットでの評判が悪くなかったので、
ほとんど予備知識の無い状態ながら観に行った一本です。

 前半はコテコテの純愛ラブストーリー。
韓流映画を髣髴とさせる演出で、
韓国ドラマにはまった奥様方にはオススメです。
いや、皮肉じゃなく、二人の節度あるベタベタ感、
私は嫌いじゃないです。
ヒロイン、シャオユーを演じたグイ・ルンメイがキュートだったから、
というのもありますけど(笑)。
 映像もきれいです。
ロケに使われた音楽学校はジェイ・チョウの母校だそうで、
こんなハイソな雰囲気の(衣装の制服に因るところも大きいんですが)
ミッション・スクール風学校が台湾にもあるんですね。
ジェイ・チョウの育ちの良さが分かる?
校庭にあるヤシの木が唯一、南国を感じさせます。

 問題なのは後半で、
これがネタバレ無しに語ることがほとんど出来ません。
強いて言えば、SFファンタジー的展開と結末が待っています。
(邦画で似たような映画があったなぁ。。。アニメは秀作でした。)
私は途中までシャオユーは幽霊なのかと思っていました。
。。。これだけ書いても、ネタバレ寸前。
 さらに一番の問題はこの映画、観終わると細部に疑問点が数多く残ること。
映画としてけっして悪くは無いんですが。。。
脚本が練り切れていないんじゃないかと思っていましたが、
プログラムを読むと、意図的にあえて説明せず、
「秘密」にしている部分もあるらしいです。
 それが演出として効果を上げているかはさておき、
やはり映画表現的におかしいのではないかと思うところもあって、
もう一度最初から見直さないと分からないというのが正直な感想です。
でも1週間限定上映だったので、もう見直す機会がないし。。。
DVDリリースを待ちましょう。
            (☆☆)

 疑問点について、私なりの見解を下に記しておきます。
たぶん映画を観た多くの人が引っ掛かると思いますし、
自分でも後で細部は忘れてしまうと思うので。
 疑問点に関しては、映画生活>作品情報の掲示板が参考になりました。

 
 !!注意!!
完全にネタバレのうえ、映画を観ていないと何のことだか分からないので、
観ていない人はお読みにならないのが賢明です。



1. ピアノバトルの時、なぜ見えないはずのシャオユーは
  チンイーと会話できたのか。


 まずタイムトラベルのルールをはっきり説明していないため
(私が見逃したかもしれませんが)、誤解しやすい。
"旅で、最初に見た人間が運命の人"というのは、
最初のタイムトラベルで最初に会ったシャンルンだけに見えるということではなく、
タイムトラベル毎に最初に見た人物だけに認識されるということらしい。
このため、シャオユーは音楽室から教室まで目をつむっても行けるよう、
歩数を数えて108歩と憶えていた。
うまく教室にいるシャンルンを見れればいいが、
ピアノバトルの時はチンイーを見てしまい、チンイーはシャオユーを認識でき、
シャンルンには見えなかった。
 シャオユーの回想で間違えてチンイーを見てしまったカットがあるし、
シャンルンがピアノバトルの時はシャオユーがいなかったと言っていた(らしい)。
 ただ、そうするとシャンルンの謎解き回想シーンで、
シャオユーとチンイーの会話を思い出すカットがあって、
なぜシャオユーとチンイーの会話を目撃できた(知っていた)のか、疑問が残る。

2. 音楽室での密会の時、用務員にシャオユーが見えていたのはなぜか、
 用務員はどうして障害者になったのか。


 シャオユーが夜7:00の音楽室でシャンルンに逢うためタイムトラベルしてきた時、
最初に用務員を見てしまったから。
 したがって、この時シャンルンにシャオユーは見えず、
シャオユーの存在に気付いたのは用務員の声だった。
用務員は20年前にシャオユーを知っているので、
シャオユーだと判ったのだろうが、
ここで普通の人だったら、20年前と変わらないシャオユーを見て、
幽霊を見たように大騒ぎとなったでしょう。
 そこで事故か病気かは分からないが、
20年後に精神的障害を負っている設定にしたのではないか。

3. 最後にシャンルンは過去のいつにタイムトラベルしたのか。
 タイムトラベルしたシャンルンはどうなったのか。


 シャオユーが卒業式後に喘息の発作を起こし倒れるよりずっと前にトラベルした。
シャンルンと出会う前かどうかは謎の部分だが、
シャンルンを見たシャオユーの表情から、
シャオユーはシャンルンを既に知っている気がする。
つまり、出会った後。
ただそう考えると、タイムトラベルしてきたシャンルンに
あまり驚かないのがちょっと不自然にも思える。
タイムトラベルの曲を教えた後ということか?
 なぜそこまで過去に遡れたかは分からないが、
シャンルンがシャオユーよりずっと速くピアノを弾けたからという説も。
 その後、どういう経緯があったか分からないが、
シャンルンは音楽学校の生徒になり、
シャオユーと幸せに暮らしましたとさ。
めでたし、めでたし。

4. ラストの集合写真に写っていたのは誰か。

 雰囲気が変わっているので分かりづらいが、
過去に行き、そのまま音楽学校の生徒になったシャンルン。
隣にいるシャオユーが嬉しそうなのが、
父の語ったシャオユーの運命と変わっていることを示している。

5. 二つの楽譜の行方。

タイムトラベルできる曲「secret」は、20年前にシャンルンの父に預け、
そのまま父が保管していた。
シャンルンと初めて出会う場面で、シャオユーは現在の音楽室の棚に隠しているが、
その後回収したと思われる。
 ピアノバトルでシャンルンが手に入れた「白鳥」の楽譜は、
シャオユーにあげて、20年前のシャオユーの部屋にしまわれ、
20年後シャンルンが発見する。

6. シャオユーは1999年には死んでいたのか、行方不明になったのか。

 はっきり言笈されていないが、20年前の世界で机に文字を書いている時に
喘息発作で亡くなったと思われる。
 ちなみに机の文字については、
父子が時間を越え無線交信する映画「オーロラの彼方に」で、
よく似たシーンがある。

7. 母親がシャオユーがいるような言動を続けたのはなぜか。

 シャオユーが死んでいたのか、
行方不明になったのかで若干解釈が異なるが、
信じてやれずに死なせてしまった娘をいつまでも忘れることができない、
または、行方不明になった娘の帰りを信じて待っている。
 後者のほうが母親の言動が自然に見えるが、
6.から、恐らくシャオユーは"この時点では"亡くなっていると思うので、
前者。
 まあ、ぶっちゃけ、引っかけとして
母親にああいう行動をさせたのでしょう。

8. シャンルンがシャオユーの家を訪ねる場面、
 2階のカーテン越しにシャンルンを見下ろす視点のカットがあったのはなぜか、
 誰かそこにいたのか。


 二人には見えないシャオユーがいた可能性はある。
シャオユーは鍵が換わっていたので家には入れなかったと言っているが、
母親が出入りする隙に、入り込むことは可能なはず。
母親も時々出入りするシャオユーの気配を感じて、
部屋をそのままにしておいたのだろうか。

9. なぜシャンルンの家庭は父子家庭で、
 シャオユーの家庭は母子家庭か。


 プログラムに示唆されていた謎。
ひょっとしたら、シャンルンの父とシャオユーの母は
別れた夫婦でシャンルンとシャオユーは異母兄弟??
ちょっと年が離れすぎだが。。。
まさか、シャンルンの母がシャオユー??
シャンルンの父が喘息にいい食べ物を知っているというのも気になる。
まれに出てくる二人の両親の写真にヒントがありそう。
 ジェイ・チョウ自身、両親が教員で、離婚後母子家庭で育ったそうなので、
彼の個人的思い出からきているのかも知れない。

10. シャンルンはなぜ転校生だったのか。

 父が教員を勤めているなら、最初から入学していてよさそうなものだが、
転校生という設定になっている。 海外留学してたんだっけ?
この辺りも「○をかける○○」の影響があるような気がする。
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Commented by mellowww at 2008-11-30 20:31
なんなんすか!この1~10は!!!(笑)
全然この映画知りませんでしたが、
これは観ないと・・ソワソワします。
Commented by am-bivalence at 2008-11-30 21:46
mellowwwさん、お久しぶりです!
ダメですよ、観てない人が疑問点読んじゃ。
ネタバレしちゃうじゃないですか(笑)。
 まあ、読んでも何のことだか分からないでしょうけど。

DVD出てからでも映画を観て、
ぜひこのナゾを解いて教えて下さい(笑)。
Commented by 七里香 at 2008-12-20 10:08 x
こんにちは。周杰倫のファンでこの映画3回観にいきました(笑)
家族や友人らを連れて行きましたが、
1回で全て謎が解けた人はいませんでした(苦笑)
秘密は秘密のままで…な部分もありますが
いくつかはハッキリしているので書かせてもらいますね。

1.タイムトラベルルール
(良い言葉ですね~説明する時使わせてもらいます!)により
やっぱり湘倫(シャンルン)は、あのピアノバトル場面では、
小雨(シャオユー)が見えてません。
湘倫が思い出す回想シーン、晴衣(チンイー)が1人で横を向いて
喋ってる風な映像が一瞬挟み込まれてました。
Commented by 七里香 at 2008-12-20 10:08 x
2.用務員の叔父さん 
彼と小雨はピアノ室で意外にも何度か会ってると思われます。
小雨はタイムトラベルしてくるとき、湘倫を見れずに何度か失敗して
やり直したりしてたんでしょうね。
運命のあの日に出会い頭でぶつかってしまった用務員は
「あ、失敗させちゃったね」って言ってます。
彼の中では過去の記憶の中の小雨も、今観ている小雨も同じ人間だから
無問題、なんでしょう(苦笑)
過去に見てたのは病弱でおとなしい同級生に苛められてる小雨だったけど
今ここにいる小雨は明るくって恋してるみたいだし、ボクも嬉しい、的な。
これはどちらかというと「力技」の部類ですよね(笑)
知的障害設定にしたのは20年前と同じ若い小雨がいても
疑問に思わない人物じゃなきゃいけなかった、という。

裏話ですが、この用務員さん、主演の周杰倫の専属メイクさんなんですよ
芸達者な彼は周杰倫の音楽PVにも何度か出演させられてます(笑)
Commented by 七里香 at 2008-12-20 10:09 x
3.湘倫のタイムトラベルした時期
この映画のキーは「楽譜」と「ピアノの演奏」なんですが、
小雨が湘倫に、最初に曲を教える時「帰る時は早く弾くの」と言ってるように
「演奏のスピード」もキーなんです。
で、ピアノバトルを思い出してもらうとわかると思うのですが
湘倫の得意技は「ピアノの超早弾き」でした。
過去へ行く場合、小雨が語った「早く弾くこと」を思い出して、
彼のテンポで【Secret】を弾いた。早く会いたい一心もあっただろうし、
校舎も解体され始めてた、+得意技、だったのだと思います。
で、結果、随分前にタイムトラベルしてしまった(笑)
教室で会うシーン、小雨は湘倫をわかってません。
湘倫がジェスチャーで「ボク、わかる?」というシーンがあるのですが
「…ん?誰かな?」とちょっとだけ笑ってすぐ勉強はじめてる小雨なので。
その小雨を見て、湘倫はホッと安心すると同時に
「あ?ちょっと前に来すぎちゃった?」という顔してます(たぶん。)
Commented by 七里香 at 2008-12-20 10:09 x
5~8. 同意見です~

9.台湾の離婚率
この作品、異母兄弟?とか不倫?とかドロドロ(笑)した作風ではないので
湘倫父と小雨母の接点は、単なる娘の担任と母親、なだけだと思います。
台湾は意外と母子家庭、父子家庭が多く、離婚率が高いようなので
そういう背景なんでしょうね。

10.転校生
単なる反発で、父親の勤める名門校は嫌だった、のでは?
というのが私の周りの意見でした(笑)
でも上を目指すにはやっぱり父親の学校が良い、ということで転校。
周杰倫自身は大林宣彦作品は見てないようですが
岩井俊二のファンで、作品は全て観たそうですよ。

長文すみません!この映画、一度観だと見逃してるシーンが多く
疑問点が残ってしまうんですよね~。2度観るとちょっとしたシーンで
合点がいくことが多くて、より楽しめます。
私も早くDVDが出ないかなあと、心待ちにしてる1人です^^
お邪魔しました!
Commented by am-bivalence at 2008-12-23 22:01
 七里香さん、初めまして。詳細なコメントありがとうございます。
以前の記事をよくチェックしていなかったので、
今日までコメントを頂いていたことに気付きませんでした(笑)。
失礼いたしました。
3回も見た方に解説頂けると心強いです。
Commented by am-bivalence at 2008-12-23 22:02
 1.について、私も映画を観たときはタイムトラベル・ルールを、
シャオユーが見えていたのはシャンルンだけと誤解していて、
タイムトラベルの秘密を知ったシャンルンが、
ピアノバトルの時のシャオユーをフラッシュバックするカット
(シャオユーとチンイーのツーショットとチンイーだけのカットが続けて入る)
は、シャンルンには見えていたけど
他の人には見えなかったんだという解釈をしていました。
 でも実は逆で、見えていたのはチンイーで、
シャンルン含め他の人には見えていなかったことを示したものでした。

 では、なぜシャンルンはあの時あそこにシャオユーがいたことを知っていたのでしょうか。
シャオユーが後でピアノバトルを見ていたと言っていたと思いますが、
チンイーの横にいたと言っていたんでしょうか?
もし、シャンルンがピアノバトルの時のシャオユーを知らないなら、
シャンルンはシャオユーを見ていないのに、見ていたようなフラッシュバックを
挿入するのは"映画文法"的に間違っていないかと疑問を持ったんです。
そういった疑問が、この記事のサブタイトルになっています。
Commented by am-bivalence at 2008-12-23 22:04
 2. 運命のあの日に用務員さんはそんなこと言っていましたか!
でも用務員さんがシャオユーのタイムトラベルを知っていたなら、
どうして運命のあの日に"シャオユーがいた!"と騒いだんでしょう??
むむ、新たな謎が。。。DVDが出たらもう一度よくチェックしてみます(笑)。
 用務員役が周杰倫のメイクさんとは、さすが!ファンならでは知るトリビアですね。

 3. なるほど、二人が出会う前でしたか!
シャンルンのジェスチャーの意味には気付きませんでした。
これもDVDが出たらチェックです(笑)。

 9. 台湾の離婚率が高いとは知りませんでした。
確かに、ドロドロな方向にいく映画ではないので、
二人とも片親なのはそれほど意味がないんでしょう。
周杰倫の個人的思い入れが入っているのだろうと勝手に想像しています。

 10. 大林作品でなくても'06年のアニメ版はどうなんでしょうか。
同じタイムトラベルの学園ものということで、どうしても比較してしまうし、
似たような要素が入ってしまうことは仕方ないかと。。。
オリジナリティある映画であることは、疑いありません。
周杰倫の次回作が楽しみですね。
by am-bivalence | 2008-11-29 01:18 | ラブストーリー | Comments(9)