劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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カテゴリ:ミステリー( 3 )

 練りこまれたプロットと細部までの気配りがすごい、
                目を凝らして見直したくなる映画
 公式サイト

 とにかくこの映画、困ったことに、
何を感想に書いてもネタバレになりそうな映画です。
さて、何を書くべきか。。。

 この映画のプログラムには、最後に袋綴じされた採録シナリオが付いています。
シナリオが載っているプログラムは、かなり珍しいのですが、
これには正直、助かりました(^^;。
 複雑なこの映画の一度で観て解らなかったところは、
もう一度観るか、このシナリオを読むことをオススメします。
記憶のあやふやな部分や、最後まで観て疑問に思った最初の部分が
随分すっきりします。

 採録シナリオを読むと、改めて、細部まで注意を払って
作られていることがわかります。
それは観客だけでなく、登場人物達の誤解や行き違い、
思い込みを巧みに使っていて、筋の通ったプロット運びがみごとです。
原作になるミステリー小説もなく、監督オリジナル脚本なのが素晴らしいと思います。
映画ならではのトリックもありますし。

 前半、物語は島崎を名乗る探偵に教師の神野が
振り回される形で進みますが、この時はさほど謎らしい部分が見当たりません。
どこに伏線があるのだろうと思いながら観ていると、
後半突然、"どういうこと?"と、観客は訳がわからなくなり、
置いていかれたまま、ストーリーが進んでいきます。
でも、この状態を辛抱して観続ければ、断片的に状況が見えてきます。
最後には登場人物達も知らなかった細部も解って、にやりとさせられるのです。

 ポスターや公式サイトのトップがジグゾーパズルをモチーフにしていますが、
まさにパズルを見せられているような映画です。
ただその分、観終わった後の感動はライトな感じがします。
 監督が主演に大泉洋を起用した理由を、
"出ているだけで軽い感じがするから"
と述べていたので、後味がずしっと感情を揺さぶるようなものでなく、
軽い爽快感の残る程度なのも、監督の好みなんでしょう。
 でも後半の神野のセリフ、
「お前がつまらないのは、お前のせいだ」
にはギクリとさせられました。
            (☆☆☆☆)
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by am-bivalence | 2008-05-27 21:39 | ミステリー | Comments(0)

screen40 キサラギ

 疑問を解いていく先には。。。の、タマネギ映画  公式サイト

 映画クチコミサイト等の満足度ランクでずっと上位に挙がっているこの映画、
近所で公開されたので観てみました。

 確かに脚本はすごく練られていて、見事です。
ワンシチュエーションという難しい設定にもかかわらず、
2時間のあいだ飽きさせず、物語に引き込ませてくれます。

 焼身自殺したアイドル如月ミキの一周忌に集まったファンサイトの常連5人が、
如月ミキの死の真相を議論していくという内容なんですが、
謎解きに凝っているものの、基本はコメディ。
アイドルオタクのディープなところを笑うだけでなく、
会話の面白さも楽しませてくれます。

 自殺とされた死に、他殺の疑いが出て、
徐々に如月ミキと集まった5人の関連も明らかになっていきます。
如月の死の真相に至るまでが、
謎解きそのものを楽しむ探偵小説のようで、出色です。
 謎という皮を剥いでも、剥いでも、謎が出てくる
タマネギのようなプロットが良くできています。

 ただ、謎解きミステリ映画としては面白いのですが、
これに感動とかカタルシスがあるかというと、
私は?となってしまいます。
如月ミキの死の真相は一応、明らかになりますが、
そこに感動的なドラマがあるわけでもありません。
純粋な探偵小説が読むパズルなら、これは観るパズルとも言えます。
 タマネギを剥き続けると無くなるように、
謎を解き終わってみると、真相解明のすっきり感以外、
私の手元には残っていないのでした。
                    (☆☆☆)
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by am-bivalence | 2007-10-07 21:47 | ミステリー | Comments(2)
 切ない、やるせない、そしてなぜか爽やかな秀作ミステリー  公式サイト

  この映画、予告編とタイトルでコメディと勘違いされやすく、損をしているようです。
私も「転校生 さよならあなた」を観たとき、初めて予告編を観たのですが、
てっきりコメディだと思っていました。
 実際、前半はコメディタッチの部分もあり、
濱田 岳演じる椎名の能天気さが可笑しいのですが、
後半はシリアスな展開で、真相が明らかになるにつれ、
切ない思いにさせる物語でした。
 変則的なミステリー形式なので、詳細は"ネタバレ・バリアー"後に書きますが、
映画としては反則すれすれの部分があって、
人によって、それが受け入れられないかもしれません。
ただ、私にはそれほど気にならず、
むしろ気持ちよくだまされました。

 三題噺のようなタイトル、「アヒルと鴨のコインロッカー」にも、
「神さま、この話だけは見ないでほしい。」という謎めいたコピーにも、
「広辞苑」を盗むつもりが「広辞林」だったというギャグ?にも、それぞれ意味があって、 
それが解った時の、ジグゾーパズルのピースがはまったような面白さ。
と同時に、切なさも感じさせるのが秀逸です。

 冒頭、ボブディランを口ずさむ椎名に河崎が
初めて声をかけるシーンがありますが、
ラスト近くでも同じシーンが出てくるのに
全く違う感情を持って観てしまうのが見事です。

 ブータンの留学生ドルジと、恋仲になる琴美、
琴美の元カレの河崎の三人の関係が良いです。
彼らのたどる運命はやるせないですが、
なぜか観終わった後、ちょっと爽やかさや温かさも残すのは
ドルジの一途さと、椎名の純朴さのおかげでしょうか。
 この映画、私的には今年のベストワンかも?
                   (☆☆☆☆)

 (以下ネタバレ疑問)
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by am-bivalence | 2007-09-02 23:20 | ミステリー | Comments(4)