劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

カテゴリ:ホラー( 2 )

 悲劇なのに幸福感に満ちて終わる、
     この感覚は「パンズ・ラビリンス」の再来
  公式サイト

 今年最初の映画は、「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロ監督が
プロデュースしたスペイン映画。
本作の監督J.A.バヨナは長編初監督ながら、
本国スペインでは大ヒットし、数々の賞も獲得しているそうです。
 ちょっと驚いたのは、チャップリンの娘ジェラルディン・チャップリンが
重要な役柄で出演していること。
彼女は最近では「トーク・トゥ・ハー」等にも出演しているそうですが、
私が観たのは「ドクトル・ジバコ」以来だったので、えっと思ってしまいました。
昔の面影があって、良い感じに歳を重ねているように見え、新鮮でした。

 さてこの映画、基本はホラーなんですが、物語の中心には
映画途中で失踪してしまう息子が何処に行ってしまったのか、
なぜ失踪してしまったのか、といった謎があるミステリーでもあります。
 この映画のレビューには、よく「シックス・センス」や
「アザーズ」が引き合いに出されます。
幽霊を扱っていたり、最後にどんでん返しがある点など、共通点がありますが、
「シックス・センス」や「アザーズ」のような観客を引っ掛ける類のものではありません。
それよりも私が見終わった時の印象は「シックス・センス」とも「アザーズ」とも違って、
後味が「パンズ・ラビリンス」に似ているなあ、ということでした。
ネタバレになるので詳しく書きませんが、
観終わった最後に残る幸福感、
しかも悲劇的な最後のはずなのに、幸福感に満たされて終わっているのが
「パンズ・ラビリンス」っぽいのです。

 ギレルモ・デル・トロ監督はただプロデュースしただけのように言っていますが、
デル・トロ作品に通じる箇所が幾つも見受けられます。
(元)孤児院が舞台であること、子供の霊が鍵を握るとかいった設定は
「デビルズ・バックボーン」を連想させます。
先に書いた観賞後感や、2つの世界が交錯するのも
「パンズ・ラビリンス」と共通するものです。
ちょっと出てくるグロい映像もデル・トロ好み(笑)。
それだけデル・トロの嗜好にあった脚本だったからプロデュースした、
ということでしょうか。
 「パンズ・ラビリンス」のエンディングを気に入った人なら、
きっと感動できる映画だと思います。
                    (☆☆☆
[PR]
by am-bivalence | 2009-01-11 23:05 | ホラー | Comments(0)

screen14 ソウ2

 凝ったどんでん返しは冴えているが、やっぱり悪趣味  公式サイト

 ホラー映画には2種類あると思います。
怪談のようにストーリーや雰囲気で背筋をゾッとさせるものと、
ビックリ箱のように突然の出現や音で驚かすものです。
「シャイニング」ぐらいまでは、雰囲気で怖がらせる怪談的なところもあったんですが、
「13日の金曜日」シリーズ辺りから最近のホラーは
ほとんどビックリ箱系になってしまいました。

 私は怪談系ならまだいいのですが、ビックリ箱系は苦手です。
心臓に悪いです。まちがいなく数日分の寿命、縮んでますよ。
血のり大量使用のスプラッタームービーを面白がるのも、
病的で悪趣味に感じて、好きになれません。
まあ、この手の映画はグロテスクなものを見せることに意義があるのですから、
それを悪趣味だと非難するのが的外れなんですが。。。
 なので、長いことホラーは守備範囲外だったのですが、最近、事情が変わってきました。
近頃のホラーはプロットが面白いのです。
 
 どんでん返しが凝っていた「アイ」や「箪笥」、
悪魔の存在理由を示した「エミリー・ローズ」など、
ホラーだからといって避けていられなくなりました。

 「ソウ」はホラーというより、低予算映画ながら
良く出来たソリッド・シチュエーション・スリラーとして話題になりました。
殺人ゲームを仕掛けるのは、最近の日本の殺人事件を連想させて悪趣味ですが、
プロットは良く練られていました。
観客に先の展開を思い込ませては次々に裏切っていくので、
最後まで飽きさせませんでした。

 で、「ソウ2」なんですが、今度もプロットは凝っていて、最後まで騙されました。
計画途中で人質が結束したらどうしたんだろうとか、
後からつっこみを入れたくなるところもありますが、
まあ、あまり詮索はしないことにしましょう。
 犯人ジグゾウは末期ガンだったはずなのに、続編が次々と創られるので、
不死身のジェイソン化したのかと思ったのですが、
「ソウ2」ではその辺は考慮されていて、3へ続く振りにもなっているようです。

 でも、やっぱり出てくる殺人ゲームは悪趣味です。
ほとんど殺すためのトラップになっているので、ネコが捕まえたネズミをいたぶるようです。
「悪趣味」と言うと、スプラッター映画には賛辞になってしまいますけど。
                                        (☆☆)


参照映画:「マッドマックス」 ジョージ・ミラー監督 1979年
   メル・ギブソンを一躍スターにしたオーストラリア製カーアクション映画の佳作。
  死者も出した危険なスタントが公開時は話題になりました。
  常軌を逸した感覚はオーストラリア映画陣の好みなのでしょうか。
   「ソウ2」とは全然関連無いのですが、「ソウ」の状況設定は
  「マッドマックス」のラストそっくりです。
  オーストラリアの映画学校出身である監督ジェームズ・ワン、脚本リー・ワネルが
  知らないはずがありません。
[PR]
by am-bivalence | 2007-02-24 00:41 | ホラー | Comments(0)