劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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カテゴリ:映画鑑賞( 11 )

6.「きっと、うまくいく」 公式サイト
 今年観た中で一番楽しめた作品。 インド映画と言えば往年のMGMミュージカルのようなゴージャスなダンスシーンに、ぶっ飛んだストーリー展開を思い浮かべますが、
これはちょっと違います。
お決まりのダンスシーンはありますが、次々起こるエピソードにウィットや知性を感じさせ、唸らされるのです。
 映画は経済発展で近代化著しいインド社会を反映しているらしく、活躍する主人公ランチョーは身分や既成概念にとらわれない自由な発想の持ち主になっています。 これに対して親友のファルハーンとラージューは、親にエンジニアになることを決められていたり、貧乏でお守りや信仰に縛られていたりします。彼らはカースト制の影響が残っていたり、多くの宗教が混在している古いインド社会の象徴であり、変わるべきものなんでしょう。

7.「42 世界を変えた男」 公式サイト
 あまり目立たないながら観てみると良かった秀作スポーツ映画でした。
黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンと彼を支えた球団GMブランチ・リッキーの物語。 ロビンソンを採用したジャッキーの動機が人道的な面をおくびにも出さず、金のためと公言するところがいいです。
 彼らが差別に対抗する手段は、抵抗しないことと、プレーで実績を示すこと。
言うは易しでもなかなか出来ない事です。毎年メジャーリーガーがジャッキー・ロビンソンに敬意を表するのも分かります。

8.「そして父になる」 公式サイト
 よく出来た話と思ったら、実際に基になった事件とそれを扱ったドキュメントがあるとか。 家族、親子の関係を成り立たせるものは何か考えさせられます。
 福山演じる主人公野々宮は優秀ながら利己的でちょっと厭な奴なんですが、
野々宮自身、自分の父親の中にそんな面を感じ嫌悪しているところが秀逸です。

9.「夢と狂気の王国」 公式サイト
 「風立ちぬ」制作から引退宣言までの宮崎駿監督をメインにジブリの内部を追ったドキュメンタリー。 プライベート・ビデオ等もまじえジブリの歴史もざっと紹介しています。
 砂田監督は編集で語るタイプらしく、カットのつなぎで大笑いさせてくれたり、宮崎監督の発言が既にアニメで使われていることを示したりして面白いです。
 次回作が楽しみな監督がまた出てきました。
          

10.「ゼロ・グラビティ」 公式サイト
 ストーリーは単純、言ってみればデザスター映画なんですが、冒頭の長回しカットから始まるこの臨場感は特筆ものです。 絶対3Dで観るべき。
長回しカットや自在なカメラワークは「トゥモロー・ワールド」 のクライマックスで見せた臨場感をさらに上回る素晴らしさで、90分間無重力空間にいたかのような錯覚さえ覚えます。
 年最後になって後々語り草になるような映画が観れました。
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by am-bivalence | 2013-12-29 14:57 | 映画鑑賞 | Comments(0)
 2013年も残りわずか、今年見た新作で良かったものを10本挙げてみます。
甲乙つけがたいものもあるので、順位はつけません。観た順番に並べていきます。

1.「ニーチェの馬」 公式サイト
 日本公開は12年ですが、観たのが13年だったので挙げました。
SCREEN129で書いたように、観終わった後味は悪いのですが、ずっと棘のように心に引っ掛かっている映画です。 なぜなら「ニーチェの馬」から感じた生の苦しみや老衰の比喩はある面真実であり、反論し難いからです。
 今も私は完全に反論できないでいます。

2.「ライフ・オブ・パイ」 公式サイト
 後半、話がだんだん奇想天外になっていくのでファンタジー映画なのかと思ったら、
ラストのパイの告白で えっとなる映画でした。 私は「ウミガメのスープ」というゲームを連想しました。
パイにとってトラとは何だったのか、後であれこれ考えさせれます。

3.「東京家族」 公式サイト
 小津監督の代表作「東京物語」を日本人的エモーショナルの機微を描いたら当代随一の山田洋次監督がリメイクすれば、良い作品にならないはずがありません。
 山田組はクランクインする前、スタッフ全員で1本の映画を観るそうですが、この時観たのは「ニーチェの馬」だったとか。
そのせいか、映画の雰囲気にどこか沈鬱なものを感じます。

4.「セデック・バレ 第一部 太陽旗」 公式サイト
 日本統治化の台湾で起こった原住民の反乱・霧社事件を描いた入魂の大作。
人種差別や帝国日本による搾取とだけ描くのでなく、狩猟民族と近代文明の衝突という捉え方もされていて、当時の情勢を冷静に描いていたと思います。
 圧倒的兵力を持った大国日本に戦いを挑んだセデック族は、大国アメリカに無謀な戦争を仕掛けたのちの日本にも重なって見えます。 潔く散ろうとするセデック族のメンタリティも大戦時の日本人と共通したところがあるんじゃないでしょうか。
 後半の第二部は史実とはいえ、尻つぼみのような印象を受けてしまうのが残念。

5.「パシフィック・リム」 公式サイト
 「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロ監督がオタク趣味を全開して撮った娯楽作! 主人公がトラウマを抱えながら戦う、取って付けたようなストーリーがありますが、全然気にしなくてO.K.です(笑)。 これはもう巨大生物と巨大ロボットのリアルで臨場感ある格闘を単純に楽しむ映画でしょう!
(火器が発達してもカイジュウと戦うのは殴り合いなんですねえ)
カイジュウ強え~! 金属製のロボットがボロボロにされていきますが、敵はこのくらい強くなきゃ。
マジンガーZやらエヴァやらロボットアニメのオマージュも随所に感じられます。


 (後半に続く)
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by am-bivalence | 2013-12-29 14:14 | 映画鑑賞 | Comments(0)
 昨年末、スキャナーを使おうとしたら動かなくなっていました。
ちょっと前まで何事もなく使えたのに。
10年以上前に買ったスキャナー、どうもWindowsのアップデートでドライバーが対応しなくなったようです。
壊れたわけでもないのに使えなくなるなんて、これだからデジタル機器は。。。
 出鼻を挫かれ、恒例プログラム特集は無しに。。。と思っていたのですが、
やっぱり、やっておかないと居心地が悪い。
 気がつけば2月も下旬、記事を1つもアップしてませんでした。
今さらかもしれませんが、やっておきますか、
2011年のプログラム。

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 「ソーシャルネットワーク」は縦長のガイドブック風。
記事の中にはmixi社長笠原健治氏のインタビューが。
この映画を観て創業当時の熱気を思い出した、といった感想を述べていますが、ライバルfacebookの映画を宣伝するような事していて良いのでしょうか(笑)。









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 「マネーボール」
 マネーボール理論を分かりやすく解説した記事があり、劇中では分からなかった、なぜ盗塁や送りバントを禁止するのかがよく理解できました。














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「コンテイジョン」
新型感染症の恐怖を描いたこの映画、大きな災厄により日常風景が変わり、社会システムが麻痺していく様が、3.11とそれに伴う原発事故を巡る騒動を体験した後には何とも生々しく、リアルに感じました。
プログラムは取材ファイル風。中もメモなどを切り貼りしたようなレイアウトになってます。


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スェーデン映画「僕のエリ 200歳の彼女」のハリウッド・リメイク、「モールス」。
「キック・アス」で一躍人気となったクロエ・グレース・モレッツで注目されたようですが、"謎の少女"役はオリジナルのほうがかわいいと思います。
 映画ではほとんど描写されていないものの、原作やオリジナル版で"謎の少女"は実は○○○だったことをこのプログラムで知り、驚愕。








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「リトルランボーズ」
表紙(左)が写真、裏表紙(右)がそれをイラストにしたかわいらしい装丁がこの映画らしく、グッド。


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シニカルな内容の大人向けクレーアニメ「メアリー&マックス」はハードカバーの絵本風。中には二人の手紙を模したポケットも。

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 去年のプログラムは装丁に凝った物が少なかったんですが、
「探偵はバーにいる」はBARケラーオオハタのマッチ型プログラム。
映画を観る前から、思わず「ジャケ買い」しちゃいました。
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開くと巨大マッチが(笑)。本物のマッチを並べてみました。
 巻末には大泉洋が張り込み中に食べていた"北海道開拓おかき"のメーカー、
北菓楼の広告がちゃっかり入っていたりするのがナイス。

 以上2011年のプログラムでした~。
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by am-bivalence | 2012-02-22 22:46 | 映画鑑賞 | Comments(0)
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 「アバター」のヒットで3D元年となった今年。
必ずどこかの映画でやるだろうと思っていた、レンチキュラーレンズを使った3D写真付プログラム。「ヒックとドラゴン」がやってくれました。
古文書風表紙にヒックとトゥースの3Dイラストが貼り付けてあります。


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 「バッタ君町に行く」のプログラムは窓付き封筒を模したもの。
映画を観た人なら、なぜ封筒なのかすぐ分かるでしょう。
封筒の窓からバッタ君が見えるのにニヤリとなるはずです。


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 ”オヤジ版アメリ”といわれる「ミックマック」。
「アメリ」同様、全てのカットが絵のような完璧な構図、独特の色彩設計はお見事。
プログラムは表紙に透明フィルムを使って、一ひねりした装丁。
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 「ノルウェイの森」はビートルズの楽曲がタイトルになっているのを意識してか、レコードジャケット仕様。Norwegian Wood=ノルウェーの森は日本のレコード会社の誤訳で、本当は”北欧木工家具”ぐらいの意味だそうな。。。確かに歌詞には"森"など何も出てきません。
 映画に出てくる美しい高原は兵庫県砥峰高原だそうです。

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 番外編、2002年公開時の「17歳のカルテ」プログラム。
文庫本より小さな冊子に包帯が巻いてある装丁は
手が込んでいて、今見ても斬新です。
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by am-bivalence | 2010-12-26 10:51 | 映画鑑賞 | Comments(0)
intermisson13 2010年のプログラム(前編)

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 昨年後半、身辺にちょっとしたゴタゴタがあって、ブログを更新する余裕も気持も失くしていました。でもやっぱり映画を観ていると、あれこれ言いたくなってきます。
 だから少しづつでも、もうちょっと続けていくことにしました。

 という訳で、今年はやっておきましょう、2010年のプログラム。
(最近ロードショーでない映画館もよく行くようになったので、一部今年公開でない映画も入っています)

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 しばらくブログから離れていたといっても、映画を観ていなった訳ではありません。むしろ今年は普段より映画館通いがひどくなってしまいました。しかも2,3本立てを観るようになって、更に観るペースが上がっています。これも一つには「午前10時の映画祭」のせい。。。いや影響が大きいのですが。。。それはとにかく、「午前10時の映画祭」も公式プログラムと称するキネマ旬報編集ムックが発売されています。ムックだから映画館だけでなく、書店でも買えます。私は本屋で買いました。
 ただこの中の映画に関する解説やこぼれ話は、私の知る限りDVDの特典映像を元ネタにしたものがよくあります。キネ旬編集なのに。。。
他にはキネ旬の過去記事を再録しているものもあって、三谷幸喜がビリー・ワイルダーにインタビューした時の記事は貴重で面白かったです。


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 料理コンテストをに参加するスペインのシェフ追ったドキュメンタリー「ファイティング・シェフ」はレストランのメニュー風。
 アメリカの有名料理研究家ジュリア・チャイルドのフランス料理524種を1年で全て作るというブログを立ち上げ有名になったジュリーを映画化した「ジュリー&ジュリア」。ちょっと太り出して実物のジュリア・チャイルドに近づいた?メリル・ストリープの熱演が見ものでした。プログラムには映画でも出てくるフランス料理レシピが幾つか紹介されています。


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 「アイガー北壁」はなぜか大学ノート風の装丁。
映画には大学ノートなんて出てこないのですが。。。
 実話を基にした映画はたいていプログラムを買うようにしています。
事実はどうだったのか、プログラムに解説が載っていることが多いからです。


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日めくりの形式に構成された「(500)日のサマー」。
映画のロケ地マップなんていうのも載ってますが、
これを見てロサンゼルスにロケ地めぐりに行く人、いるんだろうか?
 (後編に続く)
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by am-bivalence | 2010-12-26 00:45 | 映画鑑賞 | Comments(0)
 おかげさまでこのブログ、今年も細々ながら続けられました。
記事を読み、コメント頂いた方々、ありがとうございました。
 さて、という訳で今年もやりましょうかね、2008年のプログラム。

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 今年観た映画のプログラムたち。

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今年はかなり少なくなった、"表紙切り抜き型"プログラム。
「NO ...」のOが切り抜かれてあります。
ハビエル・バルデムの殺し屋は、「ダークナイト」のジョーカー以上に怖かったッス。

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 「おいしいコーヒーの真実」
全体にスマートな作りですが、表紙の裏にはコーヒーのしみが。
これはオリジナルのウェブサイトのデザインからきているようです。

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 周到に練りこまれたプロットで楽しませてくれた「アフター・スクール」はノート型。

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このプログラムは巻末に袋綴じで脚本が付いています。
こういうのはもったいなくて封を切れません。
 じゃあどうやって中身を読むのかというと、

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こうやって読むのです(笑)。意外と読めます。

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「スピードレーサー」はカッコいいマッハ6号のペーパークラフト付。
こういうのはお子様に嬉しいアイテムですけど、やっぱり、もったいなくて切れません(笑)。

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 「西の魔女が死んだ」はまいの修行ノート付。
表紙裏には魔女修行の心得が書かれています。
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何でも自分で決めて最後までやりとげる!。。。おばあちゃんの教えが今更ながら身にしみます。
はい!がんばります!!

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 今年一番オシャレだったのが「つぐない」の装丁。
表も裏も真っ白で、印刷は一切無く、
タイトルと模様を浮き彫りで付けています。
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 映画のプログラムってよく考えると高いよなあ。。。と、
今頃思い始めていましたが、
極めつけはこの「羅生門 デジタル完全版」のプログラムと称するリーフレット。
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「羅生門」公開時のプレスシート復刻版が付いて、
この二つ折りの2枚の紙が600円!ボッタクリや!

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「アラビアのロレンス 完全版」では1963年映画公開時の
復刻版プログラムが売っていました。
右が復刻版、下になっているのは81年リバイバル時のプログラム。
公開時のほうがアートしてます。
中身も折り込みページや切抜きページがあって、
昔のものとは思えない豪華で凝った作りです。

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 番外。今年買ったのではないんですが、
「かもめ食堂」のプログラムは旅行カバンの形で遊び心いっぱい。
 中にはミドリさんが書いていたかもめ食堂のメニューとか、
シナモンロールのレシピとかが載っています。
ファン必携ですぞ。

 以上、2008年のプログラムでした。
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by am-bivalence | 2008-12-27 22:15 | 映画鑑賞 | Comments(4)
 screen86 母べえ  (公式サイト無し)

 よく"空気を読め"って、時々聞きますけど、
それって、言ってみれば周りに歩調を合わせろってことで、
ファッショな臭いを感じるのは私だけでしょうか。
ブログの炎上現象や、以前あったイラクで拉致された日本人に対するバッシングといい、
メディアの一面的で一律な報道といい、
一斉に同じ方向に向く最近の日本の風潮と、それをおかしく感じなくなっている雰囲気に
危ういものを感じてしまうのですが。
 アンコール上映で観に行った「母べえ」に描かれる人たち、
今の価値観なら当たり前のことを、
太平洋戦争前後の日本が全体主義だった時代に主張して
受難する人たちを観ていると、そんなことを連想しました。
 山田監督らしいユーモラスで人間味あるドラマの
根底に感じられたのは、静かな怒り。
真っ当な事を言っている人達が、時代の波に虐げられて死んでいく姿は、
善良な人たちばかりなだけに、不条理と怒りを感じさせるのです。
 最後に映画の舞台が現代に飛んで、
それまでの物語が今につながる実際のことであるのが強調されるのも、
「たそがれ清兵衛」等の時代劇と共通した演出で、
この映画にリアリティーと重みを感じさせました。
                 (☆☆☆)

 screen87 パコと魔法の絵本  公式サイト

 色彩はどぎついですが、
中島監督は相変わらずカットの一つ一つが凝っていて、
丹念に作られているのは、さすがです。
ただ個性的な映画なのに、役所広司演じる大貫のメイクが
「世にも不幸な物語」のジム・キャリーそっくりなのは、ちょっと残念。
 しかしなぜ中島監督、子供向けのように映画を作ったんでしょう?
内容的に子供に解るのかなあ?と思うようなところも多々あったんですが。
ジュディ・オングの「魅せられて」をギャグにしても、
今の若者だって知らないんじゃないですか。
 現場では厳しいことで知られる中島監督、
たぶん周囲からはかなり恐れられ、煙たがられているはず。
嫌われ者の大貫に監督自身を投影しているようにも見えて、
そう思いながら観ていると、面白いです。
                (☆☆)

 screen88 イーグル・アイ  公式サイト

 映画前半、謎の女性が出す指示が超人的すぎるので、
正体が推測できてしまうんですが、正体が分かってからの展開が
ありがちなんです。(ああ、「2001年宇宙の旅」)
 展開はスピーディーだし、(ただ、スピーディー過ぎて、
カーアクションが何をやっているのか分からないんですけど。)
逃走アクションもそれなりに面白く楽しませてくれました。
                     (☆☆)                 

 screen90 ぐるりのこと。  公式サイト
 
 冒頭、夫の浮気防止のため?「する日」を決めてカレンダーに印をつけ
実行している妻にドキッとさせられます。
そんな几帳面な妻が、娘を亡くしたことがきっかけで精神的に崩れていく姿と
それを支えようとする夫の日常を淡々と描いてるんですが、
セリフが映画のストーリーを進めていくための説明的なものでなく、
あくまで日常会話的で自然なところがいいです。
のほほんとして女好きの夫の役がリリー・フランキーなのもぴったり。
 夫を法廷画家とすることで、殺伐とした時代の世相が
夫婦の物語と平行して出てきますが、
もう一つ、夫婦の話とはリンクしていない気が。。。
9.11以降、世界が殺伐としていくことで鬱病になったという
監督の体験から出た実感なんでしょうけれど。
                   (☆☆)

 screen91 ブーリン家の姉妹  公式サイト

 今が旬な女優2人の共演で注目された歴史物。
アンが実際はメアリーの姉でなく妹だったように、
映画は史実を忠実にたどっている訳ではないらしく、
かなり脚色されているようです。
ブーリン家が積極的に娘たちをヘンリー8世に差し出した事実はないことや、
アンは10代をほとんどフランスで過ごし、フランス宮廷で成長したことなどから、
どうも映画は姉妹の愛憎劇を強調して描きかったらしいのです。
追放されていたアンがフランスから呼び戻されてくる姿などは
さながらヒース・クリフが嵐が丘に戻ってくるような雰囲気です。
 エリザベス1世による大英帝国黄金時代の前史として、
ケイト・ブランシェット主演「エリザベス」とあわせて観ると
母子2代に渡る宮廷内の権謀術数がいっそう分かって面白いと思います。
                             (☆☆)
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by am-bivalence | 2008-12-18 23:15 | 映画鑑賞 | Comments(0)
 年も押しつまって参りました。
サボって書かなかった映画を、この際まとめて出しちゃいます。

screen79 スカイ・クロラ  公式サイト

 ある意味「崖の上のポニョ」とは対極にあるアニメ。
絵は思ったよりきれいですし、
試作迎撃機「震電」そっくりの「散香」はカッコイイですが。。。
 ショーのための戦争とか、死ねない戦士とか、
設定が凡庸なんですよねえ。
 そしてこの世界観。
世界は変化なく永遠に続き、明日は今日の繰り返しでしかない日常。
情報として死は溢れているけど、現実感が伴わない。
 テレビゲームの中のようなこの感覚は、
今の若者の気分を代弁しているのでしょうか。
 押井監督は今の若者に希望伝えたいと言っていますが、
この映画の何処に希望があるのでしょう。
最後に主人公が少しでも現状を変えようと闘いを挑みますが、
その顛末と、エンドタイトル後のシーンは、
やはり繰り返される世界を暗示しているとしか思えないんです。
感じたのはこれまでの押井作品同様、倦怠感と閉塞感でした。
                              (☆☆)

screen81 闇の子供たち  公式サイト

 臓器売買や児童買春など、嘔吐したくなるような現実。
メディアでも扱いにくいセンシティブでセンセーショナルな問題を
正面から取り上げる熱意は買いますが、
その前に、映画としてどーよ?と思ってしまう作品。
 プロットの中心になっていたはずの臓器移植の話は、
結局どう決着したのか、うやむやに終わってしまいますし、
最後の警察介入による解決も取ってつけたようで、うそ臭く見えてしまいます。 
                                   (☆☆)

screen83 落下の王国  公式サイト

 「ザ・セル」で精神世界をシュールな映像でみせたターセム監督の2作目。
CMの仕事で世界中の絶景を見てきたターセム監督が
ここぞという場所を寄せ集めただけあって、
映像は美しく、奇抜です。
 でも前作「ザ・セル」の斬新な映像が、
実はダリの絵からモチーフを取っていたりして、
今回もどこまでオリジナリティーのあるものなのか、わかりません。
この映画の元となったというブルガリア映画「Yo Ho Ho」のプロットを読むと、
元にしたというより、リメイクといっていいんじゃないかというほど、
そのまま使われているような気がします。
 そんな疑念で観ていると、斬新な映像が売りの映画なだけに
素直に楽しめないんです。
             (☆☆)

screen84 ウォンテッド  公式サイト

 暗殺組織に巻き込まれた青年というお話なので、
007のようなアクション映画かと思っていたら、
そこは「ナイトウォッチ」のベクマンベトフ監督、しっかりダークファンタジーでした。
アンジー姉御も最初と最後に鬼のような形相を見せてガンバっています。
 それにしてもこういう在り得ないことを、映像で強引に納得させてしまう映画は
面白いですねえ。
弾道を曲げてしまう技はともかく、
銃を撃った後、着弾するまでにその銃を投げて渡すなんざ、
どう考えたって在り得ないんですけど、
そこがハイスピード撮影のマジック!
観ていて違和感がないのがすごいです。
 こういう映画は封切られた時に観るのが旬、ですな。
                       (☆☆☆)

screen85 アイアンマン  公式サイト

 ヒーローがスーパーマンのように品行方正でなく人間的なところや、
兵器産業の社長が反省から正義に目覚めるところが受けたらしいのですが、
「スパイダーマン」や「ダークナイト」を観た後では見劣りしてしまうのは否めません。
 それにこの社長、脱兵器産業を宣言した後、何をしたいのかよくわからないんですよ。
ひたすら"兵器"であるパワードスーツの開発にのめり込むのみで、
スーツを作って、何をしようという目的が見当たらないんです。
 兵器産業が生み出す紛争への反省なら、対峙べき敵は、
テロリストとか、戦争を続ける軍とかが、明確な対象になるはずなのに、
政治的になってしまうのを避けたのか、そういう展開はしません。
 結局クライマックスで出てくる"敵"は、定番の
ヒーローと同じ能力を持った相手、パワードスーツ。
でもこれがアイアンマンのプロトタイプをデカくしただけなので、
強敵に見えないのが致命的です。
                 (☆)
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by am-bivalence | 2008-12-12 22:33 | 映画鑑賞 | Comments(0)
 映画パンフレットはプログラムとも呼ばれます。
私は長い間、なぜプログラムと言うのか不思議でした。
語意として変だからです。

 ロードショーが一般的になる前の日本の映画館は、
何本立てかで上映するのが普通だったので、
その日の上映作品と簡単な解説を印刷して配布したそうです。
それがプログラムの始まりなんだそうです。
 だから、語意としてはパンフレットが正しいのですが、
由緒正しい呼び名はプログラムということになります。
今でも老舗の映画館などではプログラムと表示しています。
 そんな訳で、海外では映画パンフレットの類が無いそうですが、
海外で映画を観たことが無いので、真偽のほどは判りません。


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これは今年買ったプログラム。
年々プログラムが増えていきます。。。。
 最近はプログラムも趣向を凝らしたものが多いです。
今年のプログラムで面白いものを幾つか紹介しましょう。


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 今年のプログラムは表紙を切り抜いたタイプが目立ちました。
「パンズ・ラビリンス」「キサラギ」「ラッキーナンバー7」「リトル ミス サンシャイン」
「ラッキーナンバー7」は表紙が7の字に合わせ切り欠かれています。
「リトル ミス サンシャイン」は絵本のような表紙ですが、映画はちょっと辛口。
 「パンズ・ラビリンス」と、後で紹介する「レミーのおいしいレストラン」は
前半部分に簡単な物語が絵本のように書かれていて、
小さな子供でも楽しめるようになっています。


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 「パフューム」は臭いの映画らしく、香り付です。
この写真のバラの部分をこするとバラの香りが。


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 「ブラックブック」は映画スチール風シートのセットになっていて、
裏面に記事が書かれています。
昔の映画館は、こんなスチール写真が入り口に飾られていましたねぇ。


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 解りにくいですが「レミーのおいしいレストラン」はシール付。
このページがシールになってます。
(「Mr.インクレディブル」にも付いてました。)
こういうシールはもったいなくて使えません。


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 「めがね」は表紙、裏表紙が厚紙になっていて、簡単には曲がりません。
見返しにはメルシー体操の図解。
 中には劇中に出てきたハマダへの地図が綴じられています。
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 「琉球カウボーイ、よろしくゴザイマス。」は、のし付でゴザイマス。


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「…三丁目の夕日」「…続・三丁目の夕日」の表と裏。
「…続・三丁目の夕日」は本編同様、「…三丁目の夕日」との完璧なセットみたいです。
劇中では前作から1年ぐらいしか経っていないのに、街並みがずいぶん違うのは気のせい?

 以上、また来年も面白い映画が観れますように!
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by am-bivalence | 2007-12-30 00:23 | 映画鑑賞 | Comments(4)

intermisson7 ルール

 私は映画を観ると必ずパンフレットを買う主義です。
パンフレットは、その映画が公開中に映画館でしか買えないのが
マニア心をくすぐるからというのもありますが、
パンフレットを読むと、その映画をもっとよく理解できるからです。
 ただこの頃は、映画館で観る映画が増えるのに従い、
部屋にパンフレットが溢れ始め。。。
 最近は、パンフレットを買う映画を選ぶようになっています。

 去年、貯まり過ぎたパンフレットを整理していて、愕然としたことがあります。
5~6年前のパンフレットを見ても、
どんな映画だったのか、思い出せないものがあるのです。
中には観た覚えの無い映画まであります。
 あれ?
私の頭の中にも消しゴムが??

 どうも、印象の強い映画はとにかく、
どうでもいいような映画ほど、私の貧弱なメモリーから
あっさり消えていくようです。

 だから、観た映画は全て、感想を書き留めておくことにしました。
全ての映画の感想を文章化するという負荷を科すことで、
暇に任せて際限なく映画を観て回るのにも、
抑制が効くのではないかということも期待して。。。
ただ、人に説明するつもりで書かないと、なかなかちゃんとした文章にならないものです。
 これがこのブログを始めた動機です。


 そんな訳で、このブログを書くには、自分の中に幾つかルールがあります。

 1)映画館で見た映画だけ、感想を書くこと
 2)映画館で見たものはつまらなかったものでも、全て書くこと
 3)感想をまとめるまで、次の映画は観ないこと

また、
映画館で観たものを端から書くからには、
 順番にscreenナンバーを付けていこう、

映画を観終ると、こんな映画だったと総括的な印象が残るものです、
 それをサブタイトルにしよう、

感想を書きとめるのが目的なので、ストーリーの説明は省いて、
 代わりに公式サイトをリンクしておこう、

感想を書くのに別の映画や、読んだ本のことを引用したりすることもあるでしょう、
 そんな映画、本は、参照映画、参照文献として書き留めておこう、

映画の感想だけで"間"が持たなければ、
 「intermisson」として何か映画にまつわる話でも書こう、

 こんなふうに今のスタイルが出来ました。


 それと、
ネガティブな感想を書いてあっても、実は面白かったりする物もあるので、
良かった度合いも☆の数で付けておくことにしました。
 ☆の付け方は適当のようですが、一応基準があります。
5段階で基準は、その映画をあとどのくらい観たいか、によります。

  ☆: たぶん、もう観ない
  ☆☆:テレビで放映されれば、観直してもいい
  ☆☆☆:レンタルされたら、もう一度じっくり観直してみたい
  ☆☆☆☆:DVDを買ってコレクションしたい秀作
  ☆☆☆☆☆:映画史に残る名作

ん~、やっぱり、適当か。(^^;)
 観終わった瞬間に五つ星を付けたくなるような新作映画は、
未だにありません。
 さて、いつの日かそんな映画に出会えるのでしょうか、
映画館通いは続くのでした。
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by am-bivalence | 2007-08-22 00:22 | 映画鑑賞 | Comments(0)