劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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 「カリブの海賊」がなぜアジア?と考えさせない、
 エンドタイトル後まで見逃せない娯楽佳作
  公式サイト

 実は私、帆船ファンでもあります。
日本丸や海王丸が横浜に寄港して一般公開されるたび、
ワクワクしながら見に行きました。
中学の頃ホーンブロワーシリーズを読み始めて以来、帆船は憧れでした。

 ホーンブロワーシリーズとは、18世紀イギリス海軍の艦長
ホレイショ・ホーンブロワーの活躍を描いたC.S.フォレスターの海洋冒険小説です。
 革命後のフランスとイギリスが対峙していた大航海時代、
船乗りのくせに船酔いしやすく、高所が苦手という、
どこか人間的なホーンブロワーが、
フランス海軍や、時には海賊(私掠船)を相手に、
自艦を指揮して、信頼する部下と戦い抜いていきます。
 帆船による砲撃戦や、艦上の切り込み戦などは
生き生きとした描写で、目に浮かぶようでした。

 映画「マスター・アンド・コマンダー」は、まさにホーンブロワーの世界を
CGを駆使して忠実に映像化していました。
長年空想していたシーンを目の前に再現してくれたことに、感動しました。
 「パイレーツ・オブ・カリビアン3」も「マスター・アンド・コマンダー」と同じ
ILMがSFXを担当していて、リアルで迫力ある砲撃戦を見せてくれます。

 チェーン弾を使ってマストにダメージを与える描写や、
戦艦の内壁が赤く塗られているところ(戦闘で飛び散る血で
兵が戦意を消失しないため赤くしたといわれる)、
操艦時に相手の風上に回ろうとしたり(帆船戦では風上の船が有利)、
砲撃戦で飛び散る木片(多くの兵は砲弾よりもこれで負傷する)、などは感涙ものです。

 と、マニアックな見方はとにかく、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズは
毎回、娯楽映画としてレベルが高く、帆船ファンならずとも楽しませてくれます。
「3」ではカメオ出演で顔見せ程度と思っていたキース・リチャーズが、
わずかのシーンながら圧倒的存在感で、驚きです。
 ただ、「3」は「1」,「2」と比べ、少しボルテージが下がっているような気がします。

 前半、デイビィ・ジョーンズ・ロッカーに囚われている
ジャック・スパロウの描写が映画のテンポを止めてしまっていたり、
中盤、様々な人物の裏切り、意図が入り乱れすぎて
ストーリーがだれてしまうようなところがあります。
クライマックスの大艦隊を目にして、総力戦が始まるかと思えば
さにあらずだったり、大海賊が9人も集まりながらほとんど活躍しない点、
デイビィ・ジョーンズと女神の因縁の結末が中途半端に見える点なども、
少し大風呂敷を広げすぎた感じもあります。
 ただ、ウィルとエリザベスの辿る運命は、大団円とは行かないのが
ちょっと予想外で、これまでのシリーズとはちょっと違った後味を残します。
(本当に、エンドタイトル後まで見逃せません。)

 一方で、映像イメージはところどころ、ハッとさせられるものがあります。
「2」のデイビィ・ジョーンズやその配下のビジュアルもよく出来ていると思いましたが、
今回はデイビィ・ジョーンズ・ロッカーでの白い平原上の帆船、砂の海を進む帆船、
世界の果てで滝になっている海など、インパクトのあるイメージを
うまくストーリーの中に組み込んでいて、秀逸でした。
                          (☆☆
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by am-bivalence | 2007-06-04 00:34 | アクション | Comments(6)