劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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 映画パンフレットはプログラムとも呼ばれます。
私は長い間、なぜプログラムと言うのか不思議でした。
語意として変だからです。

 ロードショーが一般的になる前の日本の映画館は、
何本立てかで上映するのが普通だったので、
その日の上映作品と簡単な解説を印刷して配布したそうです。
それがプログラムの始まりなんだそうです。
 だから、語意としてはパンフレットが正しいのですが、
由緒正しい呼び名はプログラムということになります。
今でも老舗の映画館などではプログラムと表示しています。
 そんな訳で、海外では映画パンフレットの類が無いそうですが、
海外で映画を観たことが無いので、真偽のほどは判りません。


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これは今年買ったプログラム。
年々プログラムが増えていきます。。。。
 最近はプログラムも趣向を凝らしたものが多いです。
今年のプログラムで面白いものを幾つか紹介しましょう。


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 今年のプログラムは表紙を切り抜いたタイプが目立ちました。
「パンズ・ラビリンス」「キサラギ」「ラッキーナンバー7」「リトル ミス サンシャイン」
「ラッキーナンバー7」は表紙が7の字に合わせ切り欠かれています。
「リトル ミス サンシャイン」は絵本のような表紙ですが、映画はちょっと辛口。
 「パンズ・ラビリンス」と、後で紹介する「レミーのおいしいレストラン」は
前半部分に簡単な物語が絵本のように書かれていて、
小さな子供でも楽しめるようになっています。


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 「パフューム」は臭いの映画らしく、香り付です。
この写真のバラの部分をこするとバラの香りが。


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 「ブラックブック」は映画スチール風シートのセットになっていて、
裏面に記事が書かれています。
昔の映画館は、こんなスチール写真が入り口に飾られていましたねぇ。


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 解りにくいですが「レミーのおいしいレストラン」はシール付。
このページがシールになってます。
(「Mr.インクレディブル」にも付いてました。)
こういうシールはもったいなくて使えません。


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 「めがね」は表紙、裏表紙が厚紙になっていて、簡単には曲がりません。
見返しにはメルシー体操の図解。
 中には劇中に出てきたハマダへの地図が綴じられています。
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 「琉球カウボーイ、よろしくゴザイマス。」は、のし付でゴザイマス。


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「…三丁目の夕日」「…続・三丁目の夕日」の表と裏。
「…続・三丁目の夕日」は本編同様、「…三丁目の夕日」との完璧なセットみたいです。
劇中では前作から1年ぐらいしか経っていないのに、街並みがずいぶん違うのは気のせい?

 以上、また来年も面白い映画が観れますように!
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by am-bivalence | 2007-12-30 00:23 | 映画鑑賞 | Comments(4)

screen50 椿三十郎

黒澤映画の面白さを再認識 公式サイト

 まず、黒澤明の傑作の一つを、
比較されることも承知でリメイクした勇気に拍手。
しかも脚本をそのまま使うということは、映像で勝負するということですか。
 。。。と思っていたら、予告編を観ると
おいおい、黒澤版まんまじゃないですか。
製作総指揮:角川春樹?
椿三十郎:織田裕二?
 う~ん、観に行こうか迷っていましたが、意外に評判良さそうなので
思い切って観てみると、なかなかに楽しめました。

 やっぱり、いいシナリオは時代を超えて面白いんですね、
って言われてしまうのも、名作をリメイクをする側に不利なところ。
それでもそつなくまとめてみせたのは、さすが手練れの森田芳光監督です。
黒澤版そのままのカットも言ってみれば
森田流"本家取り"なんでしょうか。

 こうして改めて新版「椿三十郎」を観てみると、
"キャラがたっている"のに驚きます。
三十郎はじめ、室戸半兵衛や奥方のキャラクターは個性的で判りやすく、
娯楽映画のお手本といってもいいんじゃないでしょうか。
良く練られたプロットといい、キャラの効果的な使い方といい、
脚本をそのまま使ったのも頷けます。
 ただその分、状況説明的会話が多いとか、
黒沢映画らしいちょっと臭いセリフとかいった、
オリジナルの欠陥も引き継ぐことになるのですが。。。

 室戸役の豊川悦司はじめ、キャスティングがなかなか良かったんじゃないでしょうか。
中村玉緒、藤田まこと、などは、はまり役のように思います。
三十郎はもともと三船敏郎に合わせたキャラクターなので、
オリジナルと比べると見劣りしてしまうのは致し方ないでしょう。
 ただ、三船の三十郎にはシニカルな面があって、
三船三十郎の言う軽口には皮肉な響きがあったのに、
織田三十郎にはそれが足りないのが残念です。
三十郎は諸国を流浪している素浪人なので、世間の裏を見尽くしているはずなのに、
織田三十郎はそんな雰囲気が足りないのです。
織田三十郎がニヤリと笑っても 不敵と言うより、
脳天気に見えてしまうのは私だけでしょうか。
しゃべり方もまるで三船のモノマネをしているようなのも気になります。

 なんだかんだ言っても、黒澤作品の時代劇は面白いです。
「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」が時代劇だと思っている世代に
是非観てもらいたいものです。
 これを機会に「用心棒」や「隠し砦の三悪人」なんかもリメイクするとか、
黒澤作品のリバイバル上映するとか、ならないものでしょうかね。
                         (☆☆☆)

 *補足
  冬休み、帰省した実家で黒澤版「椿三十郎」のビデオを発見しました。
 黒澤版を見直してみて、森田版が黒澤版の全くの焼き直しという訳ではなく、
 随所にオリジナルの演出を加えていることに気付きました。
 自分を踏み台にさせながら、奥方に塀を乗り越えさせるところなど、
 オリジナルのイメージを大切にしながら、独自の改善を加えているのです。
  織田裕二の演技も三船のモノマネというより、
 三船ならこう演じていたのだろういうイメージを出していたようにも見えます。
 森田監督、したたかです。
 森田版の評価が上がりました。
  「隠し砦の三悪人」は「ローレライ」の樋口真嗣監督がリメイクするんでした。
 これもちょっと期待しましょう。
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by am-bivalence | 2007-12-27 00:41 | 時代劇 | Comments(2)
 先端技術CG"アニメーション"の習作  公式サイト

 私に3D映画の可能性を教えてくれたのは、
今は無くなってしまった軽井沢のアイマックスシアターで観た
「ジェームズ・キャメロンのタイタニックの秘密」でした。
 それ以前にも偏光メガネなどを使ったカラー立体映像は、
東京ディズニーランドの「キャプテンEO」で観ていましたが、
「キャプテンEO」がVFXの合成された映像だったのに対し、
実写映像を立体視する「タイタニックの秘密」は、臨場感が別格で、
目の前に実物を見ているようでした。
(カラーの立体映像がこれほどリアリティーがあるなら、
火星や深海底の無人探査機に利用すれば、
人間が実際に行ったように調査ができるんじゃないでしょうか。)
以来、3D映画は機会があれば観に行くようになりました。

 で、今回の「ベオウルフ/呪われし勇者」、
3D映画で上映していなければ、観に行かなかったかもしれません。
俳優をモーションキャプチャーして、俳優そっくりのCGキャラクターを動かすことに
どれほど意味があるのか、疑問に思っていたからです。

 "パフォーマンスキャプチャー"の利点をゼメキス監督は、
俳優の動きを特殊メイクなどで制約をつけず、自由にできること、
俳優の外観に捉われることなく映画を作れること、などと語っています。
だったら、CGキャラクターと俳優を同じにする必要は無いじゃないですか。

 「ロジャー・ラビット」でアニメーションと実写を見事に融合させ、
「フォレスト・ガンプ」でトム・ハンクスとケネディ大統領を握手させて見せた、
コンピューター画像技術大好きのゼメキス監督、
今のお気に入りは「ポーラー・エキスプレス」で使った
"パフォーマンスキャプチャー"のようです。
CGが安く製作できれば、大規模なセットもいらないし、
役者の撮影も短期間で、ギャラも安く済むらしいです。

 結局、本作はまず"パフォーマンスキャプチャー"ありきで、
CGキャラクターを俳優そっくりにしたのは、
誰が出演しているのか観客に分かる様にする、
興行的な配慮だったんでしょう。

 実際に観てみると、CGキャラクターの動きがリアルとはいえ、
テイストはやっぱりCGアニメーションです。
でも、この映画の英雄伝説絵巻といった雰囲気には、
それが意外と合っているようです。

 本作ではベオウルフが魔物の母に誘惑されることが、
物語の重要な要素となっていますが、
これはこの脚本オリジナルの新解釈で、
元の英雄叙事詩にはないものだそうです。
 この脚色が秀逸で、必然的に内容は大人向けのものとなり、
英雄伝説を人間的にして、映画に艶を与え、
物語を面白くするのに成功しています。

 立体映像はそれなりに迫力があって、
天から唾液やら、血やら降りかかってくるシーンは
思わず避けたくなる臨場感です。
 ただ、怪物グレンデルや、クライマックスのドラゴンの巨大さが
立体映像でもう少し感じられたらよかったんですが。
ここでもCGは、まだ実写のリアリティーに及ばないようです。

 以前、ジェームズ・キャメロン、ジョージ・ルーカスなどが集まって
映画の未来について対談した時、
3D映画となっていくことは、全員の意見が合ったといいます。
 「スターウォーズ」の3Dバージョンの企画が進行しているようですが、
いつか頭上を進むスター・デストロイヤーの立体映像を、
是非映画館で観てみたいものです。
                 (☆☆)
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by am-bivalence | 2007-12-13 23:21 | ファンタジー | Comments(2)
 ラストのピアノ演奏がこの映画のアイデンティティー 公式サイト

 ピアニストを扱った映画はこれまでも幾つか観てるんですが、
実話を元にした「シャイン」や「戦場のピアニスト」が秀作だったのに対し、
完全なフィクションの「海の上のピアニスト」は
映像・イメージ先行で、リアリティーを度外視した分"作り物"感があって、
私としてはもう一つ入っていけない映画でした。
 ピアノを弾けない者にとってピアニストというのは
神がかり的な、何か崇高なものを内に秘めているように
イメージさせてしまうのでしょうか。
 監督のイメージから生まれたこの「4分間のピアニスト」にも、
そんな"作り物"感を感じてしまいます。

 リアリティーがないというのではありません。
ピアノ教師と囚人となっているピアニストの抱えているトラウマは
彼女らの人生、姿勢に大きく影響していますが、
お互いにそれを知ったからといって和解しあうわけでもありません。
彼女らのの関係はあくまで平行線です。
人間、そう簡単には変わらないのです。それが現実。
ハリウッド映画にはない、ヨーロッパ映画らしい描き方です。

 それでも、彼女らのトラウマが深刻過ぎて現実味がないのか、
どこか描写が表層的なのか、
”作り物のドラマを観ている”感を持ってしまうのです。

 ただ、映画のタイトルにもなっているラスト4分間のピアノ演奏、
このシーンは人によって賛否が分かれるようですが、
ここにこの映画のアイデンティティーが凝縮されていて、
私は良かったと思います。

(以下、ネタバレ)

 クライマックスの演奏はピアノ演奏という概念を超えた、自由奔放なものでした。
それはジェニーの自由の表現だったように思います。
ピアニストとして再起させようと裏で画策する養父への反発、
クラシック以外は低俗な音楽と決め付けて、
自分の型にはめようとするクリューガーへの反抗、
そういった想いを込めて、自分を解放するための演奏でした。

自由な精神を囚人が表現するというアイロニーも、
面白いんじゃないでしょうか。
           (☆☆)
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by am-bivalence | 2007-12-05 22:36 | 人間ドラマ | Comments(4)