劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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screen55 L change the WorLd

 久しぶりに観てしまった、もう笑うしかない映画 公式サイト 

 これまで映画を観てきて、時々
「なぜ、こんなつまらない映画ができたんだろう」
 と、不思議に思うことがあります。

 映画関係者が聞けば、"そんなこと判れば苦労しない"
と言うかもしれませんが、
素人目でも、これは脚本段階から変なのが判るだろう、
と思うような映画に時々出会います。
 「良い脚本から駄作ができる事はあっても、
悪い脚本から名作が生まれる事はない」
というのは、映画の鉄則のはず。
 なのに、よくこんな脚本で撮影に臨んだなと思うような、
映画がなくならないのは、なぜでしょう。(特に邦画)

 「デスノート」、「デスノート the Last name」のヒットで作られたスピンオフ「L」、
監督が変わっていたので、いやな予感がしました。
「デスノート」では、夜神月と智略を尽くして闘ったLですが、
今回のLにその面影はありません。

 ハイテクを駆使して高度なセキュリティを備えたはずの本部は、
あっさり敵に踏み込まれ、
保護を求めてきたはずの子供が、無謀にも敵と対峙するのを
Lは全く止めなかったばかりか、
子供自らウィルス感染してしまうのを傍観して、重大な事態を招きます。
挙句は感染した子供を街中の雑踏に連れ出す。
 信じられない軽率さです。
(Lは他人に感染しないと確信していたようですが、
その根拠は曖昧のように見えます)

 殺人兵器のウィルス感染で血まみれになる描写など、
「リング」の中田監督、自分のお得意なホラー的表現法を使いたかったのでしょうが、
私はスプラッタームービーを観たくて来たのではないのです。
 原作コミック「デスノート」からのファンで、Lの活躍を観たくて来たはずの子供達も
そんなものは期待していないでしょう。
 鶴見辰吾演じる教授が長々とセリフをしゃべりながら、
ホラー映画さながらの壮絶な最後をとげますが、
壮絶すぎて何を言っているのか解りません。
 そもそも、残虐で猟奇的な殺人シーンや、
ウィルスで体中から血を流して苦しむ人々が出てきたりするのに、
なぜPG-12指定にならなかったのか、理解に苦しみます。

 数え上げたらきりがないツッコミどころ満載の映画です。
最後は、狂信的テロリスト?集団の計画のむちゃくちゃさや、
ありえないようなスピードのウィルス感染によるスプラッターな場面で
クライマックスを盛り上げようとするなど、
呆れるのを通り越して、笑うしかありません。
 「L」を観た子供たちが、夜うなされなければ良いんですがね。
                              (_)

 (唯一、感心したのが、工藤夕貴の声。
かなり発声訓練をしたのか、アイドル時代とは別人のようです。
CMのセリフ、
 「ここで解決しないことはとっても苦手」
を言っているのが、彼女とは気が付きませんでした。)
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by am-bivalence | 2008-02-26 21:49 | サスペンス・スリラー | Comments(2)
 推理物としてはもうひとつだが、コメディ部分は楽しめる 公式サイト

 私の知人に一人、お医者さんがいるんですが、
いつも会うたびに一度は、勤務医がいかに薄給で
長時間労働させられているか、聞かされます。
 一般人のイメージと大分異なりますが、
「ブラックジャックによろしく」などを読むと、事実のようです。
(知人のお医者さんは、当直などで月に数日しか休みが無いらしく、
そのストレス解消に、貴重な休日を日本中遊び歩いています(笑)。)
 保険法の改正で、病院の倒産が増えてるという状況といい、
日本の医療はちょっとやばいことになってます。
 こんな日本に誰がした?、厚生労働省!

 あ、ちなみに、メタボリックシンドロームなる言葉を少し前によく聞きましたが、
あれは厚生労働省のキャンペーン。
 膨らみ続ける医療費を抑えるために、まずは病気を減らそうと、
成人病の元となる肥満を予防させようとしているそうです。
小役人の考えそうな、姑息な手段です。
 この映画にも、頭は切れても傲慢な役人を阿部寛が演じていて笑わせてくれます。

 「チーム・バチスタの栄光」、原作はまだ読んでいないんですが、
映画を観る限り、推理物としては"?"と思います。
最後の謎解きまで、犯人の手がかりとなるものが提示されませんし、
犯人の特定にも、医療の専門知識が必要です。

 推理よりも、この映画の一番の見所は、
田口と白鳥のコンビによるコメディ部分でしょう。
施術中の殺人事件というとシリアスなドラマを期待するでしょうが、
観た後振り返って最も楽しめたのが、二人の掛け合いでした。
その点は、予告編から受けるイメージを裏切りませんでした。
(もちろんドラマ全体はコメディではありませんし、
バチスタ手術のシーンも緊張感があってスリリングなんですが。)
 竹内結子演じる田口医師役は原作では中年男性だそうですが、
これを女医に変えたのは成功していると思います。
濃いキャラクターの白鳥と中年男がコンビでは、
脂ぎり過ぎて、暑苦しかったでしょうから。

しかし、冒頭とラストのソフトボールのシーンは
映画の流れとほとんど関係なく、不要だったのではないでしょうか。
                              (☆☆)
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by am-bivalence | 2008-02-16 10:30 | コメディ | Comments(2)
 空想が生きていく力になる少年少女の絆を描いた秀作 公式サイト

 誰でも子供のころ、秘密基地を作って遊んだ覚えがあるのではないでしょうか。
男の子ならウルトラマンごっことか、仮面ライダーごっことかで遊んだことも。
(例えが かなり古いですが。。。)
 でも、"ごっこ遊び"で自分がスーパーヒーローやお姫様になれるのも
たいていは小学校低学年ぐらいまで。
大きくなると気恥ずかしくなって、そんな遊びはしなくなるものです。
 それが "分別がつく" ということなのでしょうが、
それは逆に、"想像の自由さを失っている" とは言えないでしょうか。
 この映画はそんな自由を失くさなかった少年少女の物語です。

 予告編を観ると、この映画は子供達が自分の空想世界に入り込む、
「ナルニア国物語」や、「パンズ・ラビリンス」のようなファンタジー映画かと思ってしまいますが、
実際は全く違います。
 ファンタジーのようなシーンもありますが、
それはあくまで彼らの主観を視覚化したもの。
 この映画は、想像力豊かな少年と少女の交流と絆を描いた秀作でした。

 主人公のジェスは4人の姉妹がいる、大家族の一人息子です。
女ばかりの中で、居心地の悪さを感じ、
得意な絵を書くことで気を紛らわせています。
 大家族のジェスの家庭は経済的にも苦しく、
現実に煩わされている父親はジェスに厳しく当たりがちです。

 そんな鬱屈とした日常を送っていたジェスが、
引越してきた空想好きで活発な少女レスリーと出会い、
次第に生き生きとしてくるのです。
 エキセントリックな二人は、周囲から変わり者扱いされますし、
学校にはいじめっ子もいます。

 ままならない現実の憂さを晴らすように、
彼らは自分達の想像の国テラビシアを造って遊びますが、
それはうまくいっていない現実からの逃避ではありません。
想像の中で、いじめっ子を模した敵と対峙したりすることで、
現実に適応していく訓練の場となっているのです。

 そんな甲斐もあって、現実は少しづつ良くなる兆しが見えるのですが、
突然、二人につらい事件が起こります。
受け入れがたい事実にジェスが現実否定したりする描写には無理がなく、
あざといお涙頂戴ドラマとは違うのが素晴らしいと思います。
これは、原作のモデルとなった原作者の息子本人が
脚本に関わっている効果でしょうか。
周囲の暖かい支えも、意外な人が意外な面を見せていて、
人物描写も細やかでした。

 ラストでタイトルの意味が判るのも、良くできていて、
親子で十分楽しんで感動できる映画ですが、
興行的にはもう一つのように見えるのが残念です。
「アース」のように思い切って吹替え版を主に
公開したほうが良かったのではないでしょか。
                 (☆☆☆☆)
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by am-bivalence | 2008-02-14 22:04 | 人間ドラマ | Comments(2)