劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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screen103 007/慰めの報酬

 本家ジェームズ・ボンドはジェイソン・ボーンになっってしまうのか  公式サイト

「クラッシュ」のポール・ハギスによる脚本で007シリーズに人間ドラマを持ち込み、
魅せてくれた新生ジェームズ・ボンド、
再びハギスの脚本で前作の続編として作られるとあれば、期待も高まろうというもの。
 でも、観てみると何か違う。。。

 アクションはそれなりに楽しめます。
「ボーン・アルティメイタム」「イーグル・アイ」のような速いカット割で、
付いて行くのが大変です。 頭がくらくらします(笑)。
でも、何か違う。。。

 いままでのボンドは機知を使って一発逆転、
危機を乗り越えていく痛快さがありました。
でも今回のボンド、反射神経とスピードで勝負、のようなところがあります。
予告編でも使われている車内で向けられた銃を払うシーンなど、その典型です。
それが"若き"ジェームズ・ボンドってことなのでしょうか。
独断専行、猪突猛進でMを困らせているのも、若さゆえ?。

 屋根の上をつたって逃亡するシーンなど、
なんだか「ボーン・アルティメイタム」を観ているみたいだなあ、と思ったら、
アクションシーンの撮影監督に「ボーン・アルティメイタム」の
撮影監督を起用しているそうです。
どおりで「ボーン・アルティメイタム」と同じ、
カメラが対象と一緒になって飛んでいくカットがあるはずです。
 ジェームズ・ボンドがシリアスでユーモアを無くしてしまうと、
ジェイソン・ボーンになってしまうんでしょうか。
 従来のパターンを破って新機軸を作るのは
なかなか大変なんですね。
                 (☆☆
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by am-bivalence | 2009-01-31 22:08 | アクション | Comments(0)
 後編のための長~い前説?  公式サイト

 原題は「CHE PART ONE」と、いたってシンプル。
"チェ"・ゲバラ、ある世代には熱狂的信奉者がいて、時代のイコンである人物ですが、
私はゲバラのことをあまりよく知りません。
高校の頃、彼の自伝を読んだことはありますが、
キューバ革命や彼の思想、人物像がもう一つよく分からなかった覚えがあります(^_^;)。

 この映画の事を聞いたとき、幾つか腑に落ちない点がありました。
 なぜ今頃、ソダーバーグが取り上げたのか。
革命家ゲバラを信奉する人はラジカルでアナーキーなイメージがあるので、
ソダーバーグが興味を持つのはちょっと意外な感じがしたのです。
ソダーバーグはゲバラの何処に惹かれ、何を描きたかったのでしょう。
 なぜ、ゲバラ役にスペイン語を話すという以外、
共通点の無さそうなベニチオ・デル・トロを起用したのか。
(ゲバラに容姿が似ているという点では、まだ「モーターサイクル・ダイアリー」の
ガエル・ガルシア・ベルナルのほうがよかったと思います。)
 なにより、ゲバラはどんな人物だったのかにも興味がありました。

 で、実際映画を観てみたんですが、
これが映画を観ても、事前の疑問はほとんど解けません。
 この映画、革命の勝利、戦場での恋などドラマティックな要素には事欠かないのに、
ドラマ的演出はしません。
革命後、国連演説のためニューヨークに滞在したゲバラをカットバックしながら、
キューバ革命時のゲバラの行動を淡々と見せるドキュメンタリーのような映画です。
キューバ革命が全体としてどう進み、どうやって成功したのか、
説明的描写はほとんどありません。
昔読んだゲバラの自伝のようです(笑)。

 でも観賞前の疑問は、プログラムの監督インタビューを読んであっさり解けました。
しかも、知ってしまうとなぁんだって事ばかり。
 ゲバラの企画を持ち込んだのは、デル・トロだったこと。
(全然似ていないのにゲバラ役にしたわけです(笑))。
ソダーバーグ自身はそれまでほとんどゲバラを知らなかったこと。
ソダーバーグが惹かれたのはゲバラの人間性、特にボリビアでの活動で、
それを描く補足として、キューバ革命でのゲバラを追加したこと。
映画のエピソードは全て事実に基づき、可能な限り忠実に再現しようとしたこと。

 どうもソダーバーグはゲバラのキューバでの成功よりも、ボリビアでの失敗に、
革命家としての思想や信念よりも、成功を投げ打っても次の革命へ乗り出した
ゲバラの人間性に興味があったようです。
 結局、この映画の本質は後編にこそあるわけで、
パート・ツーを観てみなければこの映画の評価はできません。
後編に期待しましょう。
      (☆☆)
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by am-bivalence | 2009-01-23 21:22 | 伝記 | Comments(0)
 悲劇なのに幸福感に満ちて終わる、
     この感覚は「パンズ・ラビリンス」の再来
  公式サイト

 今年最初の映画は、「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロ監督が
プロデュースしたスペイン映画。
本作の監督J.A.バヨナは長編初監督ながら、
本国スペインでは大ヒットし、数々の賞も獲得しているそうです。
 ちょっと驚いたのは、チャップリンの娘ジェラルディン・チャップリンが
重要な役柄で出演していること。
彼女は最近では「トーク・トゥ・ハー」等にも出演しているそうですが、
私が観たのは「ドクトル・ジバコ」以来だったので、えっと思ってしまいました。
昔の面影があって、良い感じに歳を重ねているように見え、新鮮でした。

 さてこの映画、基本はホラーなんですが、物語の中心には
映画途中で失踪してしまう息子が何処に行ってしまったのか、
なぜ失踪してしまったのか、といった謎があるミステリーでもあります。
 この映画のレビューには、よく「シックス・センス」や
「アザーズ」が引き合いに出されます。
幽霊を扱っていたり、最後にどんでん返しがある点など、共通点がありますが、
「シックス・センス」や「アザーズ」のような観客を引っ掛ける類のものではありません。
それよりも私が見終わった時の印象は「シックス・センス」とも「アザーズ」とも違って、
後味が「パンズ・ラビリンス」に似ているなあ、ということでした。
ネタバレになるので詳しく書きませんが、
観終わった最後に残る幸福感、
しかも悲劇的な最後のはずなのに、幸福感に満たされて終わっているのが
「パンズ・ラビリンス」っぽいのです。

 ギレルモ・デル・トロ監督はただプロデュースしただけのように言っていますが、
デル・トロ作品に通じる箇所が幾つも見受けられます。
(元)孤児院が舞台であること、子供の霊が鍵を握るとかいった設定は
「デビルズ・バックボーン」を連想させます。
先に書いた観賞後感や、2つの世界が交錯するのも
「パンズ・ラビリンス」と共通するものです。
ちょっと出てくるグロい映像もデル・トロ好み(笑)。
それだけデル・トロの嗜好にあった脚本だったからプロデュースした、
ということでしょうか。
 「パンズ・ラビリンス」のエンディングを気に入った人なら、
きっと感動できる映画だと思います。
                    (☆☆☆
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by am-bivalence | 2009-01-11 23:05 | ホラー | Comments(0)