劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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タグ:サスペンス・スリラー ( 1 ) タグの人気記事

screen80 ダークナイト

 これはもう正義と悪の戦いではない、理性と狂気の死闘  公式サイト
  
 「メメント」で、若手注目株とされたクリストファー・ノーラン監督、
やっと「メメント」に並ぶ代表作ができたようです。
シリーズ作の続編というものは、たいてい前作よりボルテージが落ちてしまうものですが、
「ダークナイト」は数少ない例外でした。
 バットマンをぎりぎりまで追いつめるジョーカーの狂気に、
最後まで目が離せません。

 前作以上にこだわったリアリティ描写は、
これまでのアメコミ映画の中では一番ではないでしょうか。
タイトルも、アメコミ映画のパターンであるヒーロー名を使うのではなく、
バットマンの二つ名というべき、「ダークナイト」だけにしたのも、
従来のアメコミ物とは一線を隔した現れのようです。

 ノーラン監督は毎回、心理的な要素をテーマにしてきますが、
今回出色なのは、ジョーカーの悪徳を通り越した狂気。
ヒース・レジャーが猫背と壊れたメイクで演じるジョーカーの病的なこと!
何をしでかすか分からないキャラクターは、
登場した途端、映画に異様な緊張感を生みます。
それは「レオン」でゲイリー・オールドマンが演じた悪徳刑事や、
「ノー・カントリー」ハビエル・バルデムの殺し屋を髣髴とさせる凄みがありました。
(以下ネタバレ)

 この狂気を伝染させようと、ジョーカーの仕掛けた罠は
精神を揺さぶる罠、"ジレンマ"でした。
バットマンが怒りと憎しみで理性を失いそうになる一歩手前で止まったのと対照的に、
"ホワイトナイト"デントは狂気に囚われてしまいます。
この辺り、フォースの暗黒面に落ちていくような(笑)。。。

 ただ最後の結末には、私はちょっと違和感を感じます。
影の戦士としての孤独感を表したかったのかもしれませんが、
大衆を愚とみなして事実を隠蔽し、英雄を仕立て上げるのは、
独裁者のような権力者のやる政治的手段。
影の存在とはいえ、ヒーローにはふさわしくないように感じてしまうのです。
 そういった面も含めて「ダークナイト」なのかもしれませんが。
                               (☆☆☆)
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by am-bivalence | 2008-08-28 23:44 | アクション | Comments(4)