劇場で観た映画の覚え書き


by am-bivalence
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 家族で立体映像の面白さを楽しめるアトラクション映画  公式サイト

 以前「ベオウルフ」で3D映画に注目、と書いたんですが、
初の本格的長編実写3D映画の触れ込みで公開されている
「センター・オブ・ジ・アース」、観に行って参りました。

 現在の3D上映方式は幾つもあるんですが、
いずれも人間の眼では分からない高速で左右用の画像を切り換え、
メガネのフィルターを通して左右別々に見るという原理です。
今回観たのは偏光フィルターメガネを使うrealD方式。
高速で画像が切り換えられなかった頃は、長時間見るとチカチカして眼が疲れるので、
長編映画には向かなかったそうですが、
技術が進歩した今はrealDの場合、毎秒144コマの高速で切り換えるので、
(左右72コマづつ、従来の映画は毎秒24コマなので その3倍)
チラつきを意識させず、長時間でもかなり眼が疲れなくなっているとか。
 それでも上映時間95分の最後のほうでは少し疲れました。
メガネの上に3Dメガネをかけるという形が影響したのかもしれませんけど。。。

 ちょっと驚いたのは、本編上映前に、
トヨタなどの日本のCMが3D映像で流れたことです。
 3Dカメラで製作しているわけがないので、コンピューター処理で3D化したんでしょう。
ナイトメア・ビフォー・クリスマスもコンピューター処理での3D化ですけど、
あれは実写ではないので、まだ3D化しやすかったんじゃないでしょうか。
画像処理でここまで3D化できるというサンプルです。

 ジュールベルヌの地底探検を題材にしたこの映画、
かなりキワモノっぽく思えますが、ツッコミどころ満載のものの、
アクションアドベンチャー映画として思ったより、楽しめました。
 監督のエリック・ブレヴィグは立体映像の世界ではよく知られた人だそうで、
3D効果をフルに発揮したカットが随所に出てきます。
磁石石の上に乗って空中に浮かぶシーンは
下を覗くと高さが感じられて、身がすくむ感じがしますし、
目の前にヨーヨーが飛んでくるカットなどは
分かっていても条件反射的に目をつぶってしまいます。
立体映像は案外、ホラー向けなんですね。
(そう言えば昔、「ジョーズ3D」とか、「13日の金曜日3D」なんてありました。
ホラーは苦手なので、観てないけど。)

 今のところ3D映像は家庭にインフラがないので、
劇場でしか観れないというのは映画館にとってプレミアムなんでしょうが、
2000円で何の割引も適用できないのは、ちょっと高い。
せめて映画の日は1500円位で観れるとか、
他の映画ほどでなくても、少しはサービスしてほしいものです。
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by am-bivalence | 2008-12-19 00:03 | アクション | Comments(0)

screen77 崖の上のポニョ

アニメーター宮崎駿のこだわりが伝わる力作  公式サイト

 以前一度だけ三鷹の森ジブリ美術館に行ったことがあるんですが、
ここではジブリ・オリジナルの短編アニメを1回観せてくれます。
その時観たのが 中村季枝子「いやいやえん」を原作にした「くじらとり」。
 保育園児達が遊具の積み木で海に出て、鯨を捕るという
ごっこ遊びの空想をアニメにしているんですが、
これがほのぼのしていて、面白かったんです。
 ここのオリジナル・アニメは定期的に入れ替えしていて、他にもあるので、
ジブリ美術館に行けない人のためにも、まとめてDVDにして欲しいなあ、
と思うのですが。。。
おとなの事情で、しないだろうなあ。
 この「くじらとり」のエンドタイトルでは、スタッフ名をあいうえお順で並べています。
「崖の上のポニョ」のエンドタイトルでも全く同じスタイルを取っているのを観た時、
ははぁ、と納得しました。
 宮崎監督は、あの短編のような映画を劇場でやりたかったんだなと。

 「崖の上のポニョ」、某口コミサイトでは評判悪いですが、
私はこういうアニメ、「あり」だと思います。
アニメはもともと子供が観るものですよ。
いいおとなが、子供向けのアニメを観て文句を言っちゃいけません。
 そりゃあ、
よくわからないご都合主義的にも見えるハッピーエンドだとか、
前半の嵐の場面のアップテンポに比べ、
後半は水に沈んだ街の場面が静かすぎて退屈だとか、
自然描写を大切にしているのに、
海水魚をいきなり真水に入れるとは何事だとか、
(海水は塩水であると言う感覚が、全体に欠如しているんですよねえ。。。)
半魚人のポニョがかわいくないとか、
いろいろ欠点は挙げられますよ。
 でもアニメーションはいい仕事してるじゃあないですか。

 モブシーンが得意という宮崎監督、
わんさと出てくるクラゲや魚の大群、ポニョの妹達、
よく動いてるじゃないですか。
古典的なメタモルフォーゼもアニメーションらしくて、かえって新鮮です。
ポニョが波の上を疾走するシーンは圧巻で、観ていて思わず、
「名場面だ。。。」とつぶやいてしまいました。

 今の時代に子供に安心して見せられる映画がどれ位あるでしょう。
宮崎アニメをこれまでのジブリブランドとして見ていた人には
違和感を覚えるかもしれませんが、これぞアニメーション。
絵本のようなこの映画を商業ベースで成功させたのは並大抵ではないと思うのです。
                                   (☆☆☆)
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by am-bivalence | 2008-12-06 00:24 | アニメ | Comments(2)

screen94 言えない秘密

 これは作品の欠陥なのか、伏せられた「秘密」なのか 公式サイト

 ネットでの評判が悪くなかったので、
ほとんど予備知識の無い状態ながら観に行った一本です。

 前半はコテコテの純愛ラブストーリー。
韓流映画を髣髴とさせる演出で、
韓国ドラマにはまった奥様方にはオススメです。
いや、皮肉じゃなく、二人の節度あるベタベタ感、
私は嫌いじゃないです。
ヒロイン、シャオユーを演じたグイ・ルンメイがキュートだったから、
というのもありますけど(笑)。
 映像もきれいです。
ロケに使われた音楽学校はジェイ・チョウの母校だそうで、
こんなハイソな雰囲気の(衣装の制服に因るところも大きいんですが)
ミッション・スクール風学校が台湾にもあるんですね。
ジェイ・チョウの育ちの良さが分かる?
校庭にあるヤシの木が唯一、南国を感じさせます。

 問題なのは後半で、
これがネタバレ無しに語ることがほとんど出来ません。
強いて言えば、SFファンタジー的展開と結末が待っています。
(邦画で似たような映画があったなぁ。。。アニメは秀作でした。)
私は途中までシャオユーは幽霊なのかと思っていました。
。。。これだけ書いても、ネタバレ寸前。
 さらに一番の問題はこの映画、観終わると細部に疑問点が数多く残ること。
映画としてけっして悪くは無いんですが。。。
脚本が練り切れていないんじゃないかと思っていましたが、
プログラムを読むと、意図的にあえて説明せず、
「秘密」にしている部分もあるらしいです。
 それが演出として効果を上げているかはさておき、
やはり映画表現的におかしいのではないかと思うところもあって、
もう一度最初から見直さないと分からないというのが正直な感想です。
でも1週間限定上映だったので、もう見直す機会がないし。。。
DVDリリースを待ちましょう。
            (☆☆)

 疑問点について、私なりの見解を下に記しておきます。
たぶん映画を観た多くの人が引っ掛かると思いますし、
自分でも後で細部は忘れてしまうと思うので。
 疑問点に関しては、映画生活>作品情報の掲示板が参考になりました。

 
 !!注意!!
完全にネタバレのうえ、映画を観ていないと何のことだか分からないので、
観ていない人はお読みにならないのが賢明です。

 *疑問点はこちら*
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by am-bivalence | 2008-11-29 01:18 | ラブストーリー | Comments(9)
 観ておきながら感想を上げていなかったものを、
少しでも簡単に書いておこうと思います。

screen73 スピードレーサー  公式サイト

 言わずと知れた初期タツノコ・アニメの名作「マッハGoGoGo」のハリウッド実写化。
(「スピードレーサー」は「マッハGoGoGo」のアメリカ放映時タイトル)
 ウォシャウスキー兄弟は、今観るとかなり無理のある
「スピードレーサー」のカー・レースの世界観を
(なにせ、「マッハGoGoGo」の製作スタッフは誰も車の免許を持っていなかったらしい)
近未来という設定にして、ずいぶん忠実に再現しています。
キャストも主役以外はオリジナルのキャラクターによく似せています。(特にお父さん!)
 ただ、色彩が見ていると目がチカチカするぐらい、ケバイ。
これはアメコミ調というより、テレビゲーム調でしょうか。
CGフル活用のレースシーンなどは、まさにテレビゲーム画面といった雰囲気。

 映画前半で、主人公が信じていたレース界が、
全く違った面を持った裏があることが明らかになるのですが、
このあたり、「マトリックス」の世界観を連想させて、
ウォシャウスキー兄弟らしいアレンジ、と言えるかもしれません。
そして個人の意思がそんな世界を変えていくという点も。

 それにしてもマッハ号のデザインは今見ても古さを感じさず、カッコイイ!
レーシングカーが最も美しかった60年代に作られただけあります。
 エンドタイトルに日本語のオリジナル主題歌が流れるのも、
オールドファンには感涙物でした。
                        (☆☆)


screen74 ミラクル7号  公式サイト

 「カンフーハッスル」の単純明快な勧善懲悪、マンガそのものの映像表現、
良い意味で予想を裏切る大ボラ吹きなストーリー展開で、
すっかりチャウ・シンチー監督が好きになり、観に行った映画です。

 ただ、チャウ・シンチーの「少林サッカー」「カンフーハッスル」とは毛色が異なり、
「ミラクル7号」はカンフーを見せるわけではありません。
「ドラえもん」や「オバQ」のように、主人公と同じ小学生位の世代に向けて作った映画です。
小学生が喜びそうな、うんちネタのギャグがある点などもそのためでしょう。

 しかし「ビンボーでも実直に生きれば尊敬される」と直球に言い切ってしまうなんて、
今時、チャウ・シンチーでなければ表現できません(笑)。
 単純明快なストーリーで、途中で展開が見えてしまいますが、
クライマックスはほろりとさせられて、意外?と感動させてくれます。
子供と安心して観にいけるという意味では、
ジブリアニメと並んで貴重な存在ではないでしょうか。
                        (☆☆)
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by am-bivalence | 2008-07-20 00:19 | ファンタジー | Comments(0)

screen68 ペネロピ

 現代的「お姫様」像に好感のファンタジー  公式サイト

 「みにくいアヒルの子」って童話、好きじゃないんです。
他と違ったアヒルの子が、どこでも醜いと言われていじめられてしまうだけれど、
成長すると美しい白鳥になった。。。っていうお話。
 醜いアヒルの子は結局美しくなることでしか、救われないのでしょうか。
醜いままだったら、アヒルの子には価値がなかったのでしょうか。

 「美醜」を問題にしているのではないのです。
容姿に限らず、誰でも何かしら欠陥があるしょう。
才能や能力にも人それぞれ長短があって、
人によって出来ること、出来ないことがあるはずです。
それでも、そんな自分と折り合いをつけて、
何とか生きているのが普通の人だと思うのです。

 アヒルの子は醜いなら醜いなりに生きる方法はなかったのでしょうか。
アヒルの子は醜いままですが、他より遠くまで飛べるとか、
仲間に献身的だとかで、認められて生きていくなら、いい話だと思うのですが、
”醜い”という自分ではどうしようもないことで悩んで、
結局 ”美しく”なったことが救いなら、
多くの人は救われないんじゃないでしょうか。

 長々と「みにくいアヒルの子」批判をしてしまいましたが、
「ペネロピ」を観た人ならば、なぜこんな話を書くのか解ってもらえると思います。
「ペネロピ」は、「みにくいアヒルの子」への疑問にひとつの答えを示していました。
 呪いで豚の鼻と耳を持って生まれてきたペネロピは、
結局、呪いを解いてくれる王子様を求める生き方をしませんでした。
ペネロピが両親の保護からも離れて自立しようとするのも、現代的で共感できます。
ビアジョッキからビールをストローで飲む姿もキュートでした。
 大人が、特に若い女性が、楽しめるファンタジー映画だと思います。
                                   (☆☆☆☆)
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by am-bivalence | 2008-06-08 00:44 | ファンタジー | Comments(0)
 原作の持ち味を保った総集編  公式サイト


 私がいつも聞いているポッドキャスト番組の一つが「シネマpeople」
GAGAの映画情報番組なんですが、ゆるい雰囲気が好きで
映画番組というよりも、バラエティとして楽しんでます(^^)。
 その「シネP」で一押ししていた「ライラの冒険 黄金の羅針盤」。
(まあ、GAGAさん配給なんで)
三部作にするみたいだし、これは押さえておかなければいけないでしょう、
ということで観に行ってきました。

 ハリー・ポッター以降、ファンタジー文学や児童文学の映画化が
めっきり多くなりました。
(その分、「スター・ウォーズ」以降隆盛を誇っていたSF映画が、
全くと言っていいほど無くなってしまったのが寂しい限りですが。。。)
この「黄金の羅針盤」もそんなファンタジー文学の映画化。
 この原作、川嵜さんの御推薦もあって読んでみたんですが、
なかなか面白いんです。
普通の児童文学とはちょっと違う、
と言うより、児童文学の範疇を外れたような内容になっています。

 まず登場人物が児童文学とは思えない一癖ある者ばかり。
おてんばな主人公ライラ自身、嘘をつくのが得意というキャラですし、
その出生も複雑です。
ライラの両親は既成の道徳観などを超えた行動をする人たちで、
いわゆる"いい人”ではないのです。
なにしろ三部作のクライマックスで彼らが戦うのは"神”なのですから。
まあ、神学論に素粒子理論を混ぜたような世界観は、
キリスト教文化圏にない人間には興味が湧かないかも知れませんが。。。

 原作はともかく、肝心の映画はというと、
内容的には、原作にほぼ忠実です。
ただ、長いストーリーを映画の中に押し込んでいるので、
TVシリーズのダイジェスト版を観ているような印象でした。
細かい世界観の説明、
 ダイモンを掴まれると人は動けなくなるとか、
 極寒の地でも魔女は薄着で平気とか、
も省かれています。
原作を読んでいなくても映画としては分かりますが、
原作を読んでいれば、もう少し話の展開についていきやすいでしょう。

 一番意外だったのは、原作の第一部を最後までやらなかったこと。
第二部につながるラストに至る前に終わってしまったのは、
なぜでしょう。
 第二部以降の話の展開を原作からちょっとアレンジするのか、
第一部がコケたら、第二部以降が製作できなくなるので、
とりあえず完結させたのか、
単に上映時間が足りなかっただけなのか。。。
 気になるところです。

 それにしても、小説で想像していた世界が
映像で見られるのは楽しいものです。
よろいをまとったクマ達とか、人間について歩くダイモンたち、
飛行船の飛び交うロンドン、
アレシオ・メーターの針が動いて真実を示す様子、
実際に眼にするとわくわくします。
 美しいが冷酷でドSなコールター夫人にニコール・キッドマンなど、
キャスティングも悪くありません。
 第二部以降、出てくるミュレファ族もどんな姿に描かれるのか、
今から楽しみです。
      (☆☆)
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by am-bivalence | 2008-04-11 23:17 | ファンタジー | Comments(2)
 空想が生きていく力になる少年少女の絆を描いた秀作 公式サイト

 誰でも子供のころ、秘密基地を作って遊んだ覚えがあるのではないでしょうか。
男の子ならウルトラマンごっことか、仮面ライダーごっことかで遊んだことも。
(例えが かなり古いですが。。。)
 でも、"ごっこ遊び"で自分がスーパーヒーローやお姫様になれるのも
たいていは小学校低学年ぐらいまで。
大きくなると気恥ずかしくなって、そんな遊びはしなくなるものです。
 それが "分別がつく" ということなのでしょうが、
それは逆に、"想像の自由さを失っている" とは言えないでしょうか。
 この映画はそんな自由を失くさなかった少年少女の物語です。

 予告編を観ると、この映画は子供達が自分の空想世界に入り込む、
「ナルニア国物語」や、「パンズ・ラビリンス」のようなファンタジー映画かと思ってしまいますが、
実際は全く違います。
 ファンタジーのようなシーンもありますが、
それはあくまで彼らの主観を視覚化したもの。
 この映画は、想像力豊かな少年と少女の交流と絆を描いた秀作でした。

 主人公のジェスは4人の姉妹がいる、大家族の一人息子です。
女ばかりの中で、居心地の悪さを感じ、
得意な絵を書くことで気を紛らわせています。
 大家族のジェスの家庭は経済的にも苦しく、
現実に煩わされている父親はジェスに厳しく当たりがちです。

 そんな鬱屈とした日常を送っていたジェスが、
引越してきた空想好きで活発な少女レスリーと出会い、
次第に生き生きとしてくるのです。
 エキセントリックな二人は、周囲から変わり者扱いされますし、
学校にはいじめっ子もいます。

 ままならない現実の憂さを晴らすように、
彼らは自分達の想像の国テラビシアを造って遊びますが、
それはうまくいっていない現実からの逃避ではありません。
想像の中で、いじめっ子を模した敵と対峙したりすることで、
現実に適応していく訓練の場となっているのです。

 そんな甲斐もあって、現実は少しづつ良くなる兆しが見えるのですが、
突然、二人につらい事件が起こります。
受け入れがたい事実にジェスが現実否定したりする描写には無理がなく、
あざといお涙頂戴ドラマとは違うのが素晴らしいと思います。
これは、原作のモデルとなった原作者の息子本人が
脚本に関わっている効果でしょうか。
周囲の暖かい支えも、意外な人が意外な面を見せていて、
人物描写も細やかでした。

 ラストでタイトルの意味が判るのも、良くできていて、
親子で十分楽しんで感動できる映画ですが、
興行的にはもう一つのように見えるのが残念です。
「アース」のように思い切って吹替え版を主に
公開したほうが良かったのではないでしょか。
                 (☆☆☆☆)
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by am-bivalence | 2008-02-14 22:04 | 人間ドラマ | Comments(2)
 先端技術CG"アニメーション"の習作  公式サイト

 私に3D映画の可能性を教えてくれたのは、
今は無くなってしまった軽井沢のアイマックスシアターで観た
「ジェームズ・キャメロンのタイタニックの秘密」でした。
 それ以前にも偏光メガネなどを使ったカラー立体映像は、
東京ディズニーランドの「キャプテンEO」で観ていましたが、
「キャプテンEO」がVFXの合成された映像だったのに対し、
実写映像を立体視する「タイタニックの秘密」は、臨場感が別格で、
目の前に実物を見ているようでした。
(カラーの立体映像がこれほどリアリティーがあるなら、
火星や深海底の無人探査機に利用すれば、
人間が実際に行ったように調査ができるんじゃないでしょうか。)
以来、3D映画は機会があれば観に行くようになりました。

 で、今回の「ベオウルフ/呪われし勇者」、
3D映画で上映していなければ、観に行かなかったかもしれません。
俳優をモーションキャプチャーして、俳優そっくりのCGキャラクターを動かすことに
どれほど意味があるのか、疑問に思っていたからです。

 "パフォーマンスキャプチャー"の利点をゼメキス監督は、
俳優の動きを特殊メイクなどで制約をつけず、自由にできること、
俳優の外観に捉われることなく映画を作れること、などと語っています。
だったら、CGキャラクターと俳優を同じにする必要は無いじゃないですか。

 「ロジャー・ラビット」でアニメーションと実写を見事に融合させ、
「フォレスト・ガンプ」でトム・ハンクスとケネディ大統領を握手させて見せた、
コンピューター画像技術大好きのゼメキス監督、
今のお気に入りは「ポーラー・エキスプレス」で使った
"パフォーマンスキャプチャー"のようです。
CGが安く製作できれば、大規模なセットもいらないし、
役者の撮影も短期間で、ギャラも安く済むらしいです。

 結局、本作はまず"パフォーマンスキャプチャー"ありきで、
CGキャラクターを俳優そっくりにしたのは、
誰が出演しているのか観客に分かる様にする、
興行的な配慮だったんでしょう。

 実際に観てみると、CGキャラクターの動きがリアルとはいえ、
テイストはやっぱりCGアニメーションです。
でも、この映画の英雄伝説絵巻といった雰囲気には、
それが意外と合っているようです。

 本作ではベオウルフが魔物の母に誘惑されることが、
物語の重要な要素となっていますが、
これはこの脚本オリジナルの新解釈で、
元の英雄叙事詩にはないものだそうです。
 この脚色が秀逸で、必然的に内容は大人向けのものとなり、
英雄伝説を人間的にして、映画に艶を与え、
物語を面白くするのに成功しています。

 立体映像はそれなりに迫力があって、
天から唾液やら、血やら降りかかってくるシーンは
思わず避けたくなる臨場感です。
 ただ、怪物グレンデルや、クライマックスのドラゴンの巨大さが
立体映像でもう少し感じられたらよかったんですが。
ここでもCGは、まだ実写のリアリティーに及ばないようです。

 以前、ジェームズ・キャメロン、ジョージ・ルーカスなどが集まって
映画の未来について対談した時、
3D映画となっていくことは、全員の意見が合ったといいます。
 「スターウォーズ」の3Dバージョンの企画が進行しているようですが、
いつか頭上を進むスター・デストロイヤーの立体映像を、
是非映画館で観てみたいものです。
                 (☆☆)
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by am-bivalence | 2007-12-13 23:21 | ファンタジー | Comments(2)
 沖縄マニア必見! 
 ディープにも普通にも楽しめる、ゆるい雰囲気のオムニバス・コメディ
公式サイト

 今月初め、友人の企画したシーカヤックツアーに参加させてもらい、
沖縄に行っていました。
ツアー前夜、連れて行ってもらったコザのライブハウスで観たのが、
伝説の沖縄ロックンローラー、カッチャンのライブ。
その破天荒でちゃめっ気たっぷりのパフォーマンスには
爆笑、圧倒されました。
 この時、話題になったのが、カッチャンが映画で主演をしているということ。
その話題の映画がテアトル新宿で公開されたので、
観に行ってきました。
 人を食ったマニアックそうなタイトルですが、
意外?にも、普通に楽しめる映画でした。

 「See Me?」、「Happy☆Pizza」、「マサーおじいの傘」の
3話からなるこのオムニバス映画、
スタッフ、キャスト、ロケ地ともオール沖縄で固められており、
沖縄の人なら良く知っている著名人が多数出演しているそうです。
 映画冒頭の沖縄県産品の認定マークが誇らしげです。

 沖縄と言うと、青い海、白い砂浜にサンゴ礁といった
観光パンフレットに必ず出てくるような風景を連想しますが、
この映画には、そんなシーンはいっさい出てきません。
そこに出てくる風景は、見ればすぐ沖縄と判る、
沖縄独特の町並みや日常風景なのです。


 「See Me?」
 沖縄の清明祭(しーみー)という年中行事を題材に、
軽貨物、キノボリトカゲ、元気なおばあといった沖縄風物?を織り交ぜて
ゆるい雰囲気のコメディが進みます。
 ただのダジャレと思っていたタイトルが、一応ストーリーとも関連していたことが分かる
(というより、ダジャレで付けたタイトルからストーリーを思いついた?)
ファンタジックなエンディングは、沖縄のスピリチュアルな一面にも触れています。

 「Happy☆Pizza」
「See Me?」が現代のウチナーグチ全開で、
ヤマトンチュには所々解りにくいセリフがあったのに対し、
こちらは冒頭以外、セリフがありません。
このひねった演出が、全編に流れるオリジナルのラブソングを引き立てて、
いい雰囲気のラブコメディになっていたのですが、
最後のオチで、ただのコメディにしてしまったのがちょっと残念です。

 「マサーおじいの傘」
 70年代の糸満を舞台に、空手の達人といわれるマサーおじいと
いじめられっ子の少年の交流を描いた作品。
監督の少年時代の思い出と重なっているようで、
母のいない少年が近所のお姉さんに抱く淡い憧憬を描いたりしていて、
随所に他の2編にはない情緒が感じられます。
 沖縄に伝わるという
「意地ぬ出らぁ手引き 手ぬ出らぁ意地引き」
の格言と、決して闘おうとしないマサーおじいの姿は
争いを好まない琉球精神、反戦思想をも盛り込んでいるんですが。。。
まじめに映画に入り込もうとすると、
カッチャン演じるマサーおじいが現れ、
いかがわしげな仕草で、笑わせていきます。
監督がどこまで真剣なのか、測りかねるところが面白いです。
 瞳の温かさが妙に印象に残ったカッチャンのマサーおじいですが、
実在の空手家マサー文徳の逸話が盛り込まれているそうです。
実際のマサー文徳がどんな人だったのか、知りたくなりました。


 テレビの2時間ドラマみたいな邦画が多い中、
実験精神もある琉球カウボーイフィルムズは個性的で、
今後も映画を作り続けて欲しいと思います。
                 (☆☆(☆))
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by am-bivalence | 2007-11-20 23:20 | コメディ | Comments(0)
 二本立てだったので、2つ並べて感想を書きます。

王と鳥 ~宮崎アニメの原型いっぱいの古典 公式サイト

 物語は天高くそびえる城が舞台。
城主である横暴な王様が唯一愛するのが、絵の中の羊飼いの娘。
しかし娘は、隣の絵の煙突掃除の青年と絵から抜け出し、
逃げてしまいます。
 それを追うのが同じく肖像画から抜け出した王様。
羊飼いの娘と煙突掃除の青年は
追っ手を逃れて城の下へ下へと進んでいき。。。

 この映画、いろいろな暗喩が読み取れるそうですが、
それよりも宮崎アニメの元ネタが随所に発見できて、驚かされます。

 お城のてっぺんにある王様の部屋は、
「ルパン三世 カリオストロの城」でクラリスの幽閉された塔そっくりですし、
城のそこら中に落とし穴があるのも、カリオストロ城そのものです。
羊飼いの娘がクライマックスに着せられるウェディング・ドレスは
クラリスの着たウェディング・ドレスに良く似ています。

 城全体の姿は「天空の城ラピュタ」のラピュタを思い起こさせ、
娘と青年を追う秘密警察の服装は「天空の城ラピュタ」で
シータとパズーを追う警察?にそっくりです。

 また娘と青年が城の中を逃走する場面は、
城内放送がスピーカーで流れたりして、
「未来少年コナン」でコナンとラナが
インダストリアを逃亡するイメージと重なります。
地下に住民が抑圧されているのも、インダストリアと同じです。
 さらにクライマックスには「風の谷のナウシカ」の
巨神兵のようなロボットが大暴れするのです。

 ただ、宮崎アニメの原典を知りたいマニアには興味深いでしょうが、
いかんせん、原型となった「やぶにらみの暴君」公開が
1955年といいますから、かなりの年代物です。
映画としては「古典」で、時代を感じてしまうのは仕方ないところでしょう。
                            (☆☆)


春のめざめ ~色彩・画力が圧巻、動く印象派絵画 公式サイト

 最初この映画の予告編を観た時、てっきり絵か実写をコンピューター処理して
油絵調に見せているんじゃないかと思っていました。
 でも実際は、ガラス板上に油絵を描いていき、
動かすところだけ絵具を拭っては描き直すという、
本当に油絵でアニメーションを作る、気の遠くなるような手法を使っているそうです。
 これはすごいです。
油絵画家としての技術と、アニメーターとしての技術、
両方の高度な技を必要とする手法で、実際にそれをやってみせているのですから。
色彩の美しさも素晴らしく、まさに動く印象派絵画です。
ドラマなど、どうでもいいくらい、画面に釘付けになっていました。

 物語は、16歳の少年が年上の女性と
手伝いの少女、二人の女性に同時に引かれるというもので、
アニメとはいえ、性のめざめも扱った大人のストーリーになっています。
 最後は「ことの終わり」を連想させる結末で、
肉欲だけでなく愛の持つ高潔な面もさらりと語っているのが、
独特の情感を残していました。

30分という中篇ですが、幻想的な雰囲気も併せ持つ絵の美しさは、
久々にDVDを買って何度も見直したくなったアニメーションでした。
                         (☆☆☆☆)
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by am-bivalence | 2007-11-06 01:14 | アニメ | Comments(2)