screen17 パフューム ある人殺しの物語
2007年 03月 10日
荒唐無稽なクライマックスの奇談 公式サイト
よく、人間も異性を興奮させる"フェロモン"を出していて、
無意識にその臭いに惹き付けられるんだというお話を聞きますが、
どこまで本当なんでしょう?
もしそんな臭いがあったとしても、まさか、
それを嗅ぐと我を忘れて夢中になる、なんてことは起きないでしょう。
そんなものがあったなら、その手のことには精力を惜しまない人類のこと、
とっくの昔に見つけ出して、巷にあふれるHビデオなどと一緒に、
官能香水として売られてますよ。
でなければ、ドラッグとしてアンダーグラウンドで高値取引されているハズです。
気分をそそる香水とか、惚れ薬の類は、
あったらいいナ~という人間の願望の表れであって、
言ってみれば大人の「ドラえもんの道具」でしょう。
「服が透けて見えるメガネ」と一緒です。
ですから、超人的嗅覚を持つグルヌイユが
全ての人を魅了してしまう香水を作るこの物語は、寓話です。
映画の語り口もそんな感じです。
ただ、グルヌイユが作った香りの効果は、
CMなどから連想されるものとちょっと違っていました。
(以下ネタバレ)
グルヌイユが作った香水は、官能的な気分にさせるものではなくて、
その人を愛さずにいられないカリスマ性のエキス、といったもののようです。
だからクライマックスの処刑場が、大交歓会と化すシーンは、
最初は、官能的な雰囲気ではありません。
それが唐突に全員が服を脱ぎだすので、観ていると呆気にとられてしまいます。
もう少しうまくウソをついてくれよ、というのが正直なところでした。
原作を読んでいないので分かりませんが、
なんでこんな物語が世界中でベストセラーになったの?
と思ってしまうような映画でした。
それでも一つ、印象に残ったのは、
臭いでしか世界に興味を持てなかったグルヌイユの孤独の深さでした。
彼は生まれてから誰にも愛されたことがないので、
愛されることを知らず、自分が孤独であることも気付かないのです。
そこに彼の悲劇的なところがありました。
そしてただただ、自分を虜にした香りを手にすることのみに熱中していくのです。
グルヌイユの犯行が発覚する場面、どこかで見た憶えがあると思ったら、
思い出しました。
名作「太陽がいっぱい」のラストです。
そういえば「太陽がいっぱい」のリプリーも、貧困層の出身で孤独な青年でした。
(☆☆)
参照映画:「ラビリンス 魔王の迷宮」 ジム・ヘンソン監督 1986年 アメリカ
ここで注目したいのは、悪臭の沼(そんな名前だったと思う)を通過する場面です。
沼から悪臭のボコボコ湧き出す音が、下痢したようなオナラの音なんです。
音響効果まで使って臭いを表現した斬新さが、ジェニファー・コネリーの可憐さと供に
(どういう組み合わせだ!)、印象に残っています。
よく、人間も異性を興奮させる"フェロモン"を出していて、
無意識にその臭いに惹き付けられるんだというお話を聞きますが、
どこまで本当なんでしょう?
もしそんな臭いがあったとしても、まさか、
それを嗅ぐと我を忘れて夢中になる、なんてことは起きないでしょう。
そんなものがあったなら、その手のことには精力を惜しまない人類のこと、
とっくの昔に見つけ出して、巷にあふれるHビデオなどと一緒に、
官能香水として売られてますよ。
でなければ、ドラッグとしてアンダーグラウンドで高値取引されているハズです。
気分をそそる香水とか、惚れ薬の類は、
あったらいいナ~という人間の願望の表れであって、
言ってみれば大人の「ドラえもんの道具」でしょう。
「服が透けて見えるメガネ」と一緒です。
ですから、超人的嗅覚を持つグルヌイユが
全ての人を魅了してしまう香水を作るこの物語は、寓話です。
映画の語り口もそんな感じです。
ただ、グルヌイユが作った香りの効果は、
CMなどから連想されるものとちょっと違っていました。
(以下ネタバレ)
グルヌイユが作った香水は、官能的な気分にさせるものではなくて、
その人を愛さずにいられないカリスマ性のエキス、といったもののようです。
だからクライマックスの処刑場が、大交歓会と化すシーンは、
最初は、官能的な雰囲気ではありません。
それが唐突に全員が服を脱ぎだすので、観ていると呆気にとられてしまいます。
もう少しうまくウソをついてくれよ、というのが正直なところでした。
原作を読んでいないので分かりませんが、
なんでこんな物語が世界中でベストセラーになったの?
と思ってしまうような映画でした。
それでも一つ、印象に残ったのは、
臭いでしか世界に興味を持てなかったグルヌイユの孤独の深さでした。
彼は生まれてから誰にも愛されたことがないので、
愛されることを知らず、自分が孤独であることも気付かないのです。
そこに彼の悲劇的なところがありました。
そしてただただ、自分を虜にした香りを手にすることのみに熱中していくのです。
グルヌイユの犯行が発覚する場面、どこかで見た憶えがあると思ったら、
思い出しました。
名作「太陽がいっぱい」のラストです。
そういえば「太陽がいっぱい」のリプリーも、貧困層の出身で孤独な青年でした。
(☆☆)
参照映画:「ラビリンス 魔王の迷宮」 ジム・ヘンソン監督 1986年 アメリカ
ここで注目したいのは、悪臭の沼(そんな名前だったと思う)を通過する場面です。
沼から悪臭のボコボコ湧き出す音が、下痢したようなオナラの音なんです。
音響効果まで使って臭いを表現した斬新さが、ジェニファー・コネリーの可憐さと供に
(どういう組み合わせだ!)、印象に残っています。
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mellowww at 2007-03-10 22:38
おっと。
わたしが見たかった映画なので、びっくりしました。
ちゃんと見てから、ブログ見させてもらいます!
ちなみに、わたしは気持ち悪い程「においフェチ」です(笑)
においフェチならではの感想が書けると思うので、
ゼヒ飽きずにわたしのブログを覗いてみてください(笑)
わたしが見たかった映画なので、びっくりしました。
ちゃんと見てから、ブログ見させてもらいます!
ちなみに、わたしは気持ち悪い程「においフェチ」です(笑)
においフェチならではの感想が書けると思うので、
ゼヒ飽きずにわたしのブログを覗いてみてください(笑)
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am-bivalence at 2007-03-11 12:19
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mellowww at 2007-03-17 20:09
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am-bivalence at 2007-03-17 23:40
再コメントありがとうございます。
「パフューム」楽しめたみたいで良かったです。
匂いフェチぶりが分かるブログは面白かったですよ。
私は香水のことは全然知らないんですが。(笑)
こちらこそ、気が向いたら時々ご意見下さいませ。
「パフューム」楽しめたみたいで良かったです。
匂いフェチぶりが分かるブログは面白かったですよ。
私は香水のことは全然知らないんですが。(笑)
こちらこそ、気が向いたら時々ご意見下さいませ。
by am-bivalence
| 2007-03-10 00:12
| ファンタジー
|
Comments(4)